パートナー選びは“相手の実家独特のカルチャー”との相性も大切　しいたけ.さんがアドバイス

　AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:少し前に彼氏と別れました。彼の実家に行った時、親戚から挨拶がないと言われ、その時彼はかばってくれましたが、その後彼の姉や友人と飲んだ時、具合が悪くなり戻ることができませんでした。お姉さんはそのことに怒っていて、「姉貴に迷惑かけて何やってるんだ」と怒られました。私は人と話すことが苦手で「なぜ普通のことができないのか」と怒鳴られ、振られました。復縁したい気持ちもあるのですが。（女性／会社員／27歳／おひつじ座）

A:結婚や、長期的に人と深い関係を築いていきたいという時、相手の文化を知る必要があります。相手の実家の流儀や価値観も含めて。仮に個人対個人の関係が問題なかったとしても、相手の家族や実家には独特のカルチャーがありますよね。ご相談を読む限り、あなたはそのカルチャーから手痛く弾き飛ばされてしまった気がします。

　気になってしまったのですが、結婚をすると、その相手に、自分のカルチャーに深く関わってもらうことになるわけじゃないですか。でも今回、彼がちゃんとあなたに自分側のカルチャーを説明したり、間に入ってくれていない気がしたのです。彼のことがすごく好きで、彼自身がいい人でも、彼の背景にあるカルチャーとの相性も同じぐらい大事なんです。そこは本当にしっかり見極めて。カルチャーが違うと、戦いになり傷つけ合う結果になります。

　誰かと仲良くなって、飲みに行ったり家に遊びに行ったりするのは、相手がどういうお店を選んで、どういう場所を居心地よく感じて、どういう友達がいるのか、調査の機会でもあります。

　何げない会話の中で、「この人はこういう価値観なんだ」とわかったり、店員さんなどへの接し方を見る。そういうところにも、それぞれの人のカルチャーは表れるわけだから。相手が持つカルチャーを「それでも構わんよ」と思えるならその世界に入っていってもいいと思いますが「事前に知っておけてよかった、引き返そう」という道もあると思います。

　相談者さん自身がやらかしてしまったミスもあったのかもしれませんが、とはいえ爆発して怒鳴られる形で追い出されるのは、ちょっとひどすぎる気がします。

　一度受け入れてしまうと、また日常の中で、怒鳴られ爆発される可能性もあります。そういう性質を持つ人は、相手を選んでやっていますから、残念ながら怒鳴っていい相手だと認識されているということ。逃げたほうがいいのでは、というのが僕の意見です。

　人はどんな人でも闇や矛盾を抱えています。あなたの中で「いい人」だった彼が、なぜこんなことをするのか、整合性が取れなくてパニックになって、それを「確かめに行きたい」気持ちが出ることもありますが、それは「好き」とは別のものです。

　おひつじ座は人の闇に興味があり、変に寛大なところがあります。相手が闇を持っているならその闇まで共有しようとしてしまうことがあるので注意してくださいね。

※AERA　2025年3月17日号