みむら・しんや/フリースクールオリコス代表。小・中・特別支援学校免許を所持し、教員として10年以上勤務。不登校児の父(写真:本人提供)
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 不登校の子を抱える親にとって仕事との両立は大きな課題だ。元教員で、昨年9月に千葉県市原市で親も支援するフリースクールを始めた三村晋也さん(36)に話を聞いた。AERA 2025年3月3日号より。

【調査結果】調査からみえた保護者のホンネは・・・

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 私は小学校などで10年以上教員をしてきました。6歳の次男は医療的ケア児で重度の心身障害があり、妻も教員でしたが次男の預け先がなく退職しました。そんななか、当時小学1年生だった長男(8)が学校を行き渋るようになったんです。母親との付き添い登校が続き、私は次男のケアのため休職。見通しが立たなくなり、さまざまな人に相談して立ち上げたのが親子で通えるフリースクールです。

 不登校を語るうえで親の仕事問題は大きく、子どもの年齢が低いほど離職率は高いと感じています。子どもが親から離れられなくて仕事を辞めた、職場に同行させゲームや動画を与えて過ごさせている、という人もいました。そんなとき、提携する会社が見つかり、親の仕事も支援するフリースクールが実現しました。

 仕事内容は動画編集など在宅でもできる仕事です。フリースクールを利用する子の保護者は、研修から仕事の提供まで無料で受けられます。今後は事務代行や図面作成など仕事の幅を広げる予定です。

 不登校について父親の理解が得られないと悩む人はたくさんいます。私が元教員、不登校児の父として言えることは、お父さんにも現場を体験してほしいということです。学校に連れてきたとき、拒否反応を示して騒ぐ、親に暴言暴力をするなど子どもの拒否感を直に知ってほしい。そうすれば理解せざるを得ないのではないでしょうか。

AERA 2025年3月3日号

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