ゴチャゴチャしてイスをちゃんとしまえなかったパントリー/ビフォー

「夫が倍率30倍くらいの試験に合格したり、めったに咲かないサンスベリアの花が咲いたり、うれしい変化もいろいろありました。もちろん、夫の試験は本人の努力もありますけどね。片づけてみて、本当によかった!」

 ひささんは今回の片づけが仕事に与える影響についても話してくれました。

「女性外科医は、若いうちに出産・育児を経験すると、職を続けることに困難が多いといわれているんです。これから後輩として来るどんな状況の女性外科医も、仕事をきちんと継続できる形に業務改善したいと思っていますが、まだ何もできていません。実際のところ、女性は家がちゃんとしていないと安心して仕事ができない。私は今回のプロジェクトで家を整えるスタートラインに立てたので、これからは私も夫も幸せに働けるという環境を、家をベースに職場でも作っていきたいと思います」

不要なモノは手放し、見やすく整理してスッキリしました/アフター

 人生の基本となる家庭が整えば、何でも挑戦できるということをひささんは身をもって教えてくれました。

「あのときに片づけなかったら、何も考えずに動いて離婚していたということもあり得るなと思って。今後何かの壁にぶつかったときは、片づけで学んだことを復習さえすれば立て直せる気がします」

 働く女性の多くが悩む家庭と仕事の両立。一度、集中してどちらかをしっかりと整えてみると、もう一つもうまく回り始めることが多いように感じます。ひささんのような明るい笑顔で働く女性が、もっと増えていくことを願っています。

人生が変わる片づけの習慣 片づけられなかった36人のビフォーアフター
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