リビングの床にはいつもおもちゃなどが散乱している状態/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.90  家庭を整えることが人生の基本だと実感 夫・子ども1人/外科医

「男性中心の職場で、時間も不規則なことが多い。仕事が忙しいと家の中が散らかって、スマホを探したり、リモコンを探したり、余計なことに時間をとられてイライラしていました」

 こう話すのは、夫と2歳の息子と3人で暮らすひささん。多忙な仕事なので、夫のほかにも近くに住む両親の助けを借りながら家事・育児をこなしていました。

 みんなで協力しながらやっと生活を回せている状態の中、夫も少しずつ不満がたまっていきます。

「家のゴチャゴチャもそうですが、私のお金の管理が苦手なところも夫はよく思っていなくて。ちょっとしたケンカをきっかけに“離婚”という言葉も出てきて、いよいよどうしようかなと悩んでいました」

 そんなひささんの目に留まったのは、“家庭力アッププロジェクト®”の文字。内容を調べてみると、片づけによって家がきれいになるだけでなく、子どもの幸せにもつながるというところに惹かれました。

 子どものためには自分も変わらないといけないと思ったひささんは、プロジェクトに参加してみることに。

「これまで片づけについてちゃんと考えたことがなかったので、片づけられない要素を把握できていなかったですね」

 プロジェクトが始まると、片づけについて学ぶことで一つ一つが解決していく感覚がありました。「暗闇から救い出してもらったような感じ」とひささんは言います。

 多忙な毎日の中での片づけでしたが、大変だと思ったことはなかったそう。

「10分でもやると、目に見えてスッキリするんです。『あ、この引き出しがきれいになったな』みたいに、少しずつですが家がきれいになっていく実感がわいてきて。その日の成果を報告すると、プロジェクトのサポートスタッフさんがすごく褒めてくれるんです! それがうれしくて、次々に取り組めました」

 ひささんが頑張って片づけた結果は、息子にも影響していきます。それは、自分の手や視線が届きやすい“ゴールデンゾーン”によく使うモノを配置するといいと習った後のこと。

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動線上にモノを置くというのはこういうことか