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世界中を旅しながら、現地の様子を動画で投稿しているYouTuberのBappa Shotaさん。彼の初めての著書『流れのままに旅をする。 GO WITH THE FLOW』で最初に語られるのは、Shotaさんの生い立ちについて。もともとプロ野球選手に憧れて猛特訓をした彼は、野球の強豪校に入ったものの、その夢に破れ、摂食障害に陥り、命を絶とうと考えたこともあったといいます。その後、大学に入ったものの、生きる目的を見つけられず日々を過ごしていたところ、仲のよい親戚からかけられたのが「オマエみたいなのは、いっぺん海外行ったらええねん」との言葉でした。
こうして大学を休学し、まずはオーストラリアへ。そこはShotaさんが息苦しく感じていた「枠」や「壁」を感じさせない初めての場所であり、「否定され続けてきた自分の殻のようなものも打ち壊してくれるように感じました」「気がつけば日本にいたときには知らなかった、新しい自分がそこにいました」(同書より)と綴っています。
その後もバックパッカーとしてさまざまな国をまわり、2020年からはYouTuberとしての活動を始めたShotaさん。大気汚染が世界最悪とされるバングラデシュで驚いた「きれい」と「汚い」の価値観、フィリピンのスラム街で気づかされた幸せのカタチ、アメリカで昔ながらの生活を送るアーミッシュを訪ねて知った自分にとっての"バイブル"、予想を覆されたアフガニスタンでの盛大な歓迎......など、同書ではShotaさんが世界を旅してわかった「幸せに生きるために大切なこと」がシェアされています。
とはいえ、押し付けがましく感じられるところは一切ありません。彼の動画同様、そこにあるのはあくまでも「僕はこう思いました。あなたはどう思いますか?」というスタンス。「この世には正解も不正解もない。両方を大切にしながらバランスをとっていく」(同書より)という彼の人生観が伝わってくるかのようであり、さらにそれはタイトルにもなっている「流れのままに旅をする GO WITH THE FLOW」という言葉にもつながるところがあるかもしれません。
「僕自身が世界を知って救われたように、かつての僕と同じ苦しみを持つ人たちのために、これからも旅を続け、世界のリアルをシェアしていきたい」(同書より)というShotaさん。同書は旅することの素晴らしさを知ることができるとともに、「なるほど、そんな価値観もあるんだ!」という学びや発見が詰まった一冊でもあります。
[文・鷺ノ宮やよい]
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