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SBIには年4分配の投資信託が13本あり、分配月が微妙に違う。日本株、欧州株、米国株など3本を買えば、新NISAでも(結果的に)毎月分配金を受け取れる。定期的な分配金を老後に……ということで配当大好き派に愛されている。
では、24年の1年間で純資産総額が大幅に増加した投資信託はどれだろう。ウエルスアドバイザー投資顧問部長(ファンドアナリスト)の武石謙作さんに集計をお願いした。当初「年間増加率」で出してもらったが、それだと23年12月末に純資産総額1千万円だった投資信託が10億円になるだけで100倍になり、異常値が多発。そこで「年間増加額」でランキングをやり直してもらった=表参照。
2本だけで全体の25%
「1位と2位はeMAXIS Slimの米国株式(S&P500)とオルカンです。調査対象の3844本の年間増加額が合計26兆9675億円ですが、eMAXIS Slimの2本だけで6兆7956億円の増加。全体の25%を占めます」
この2本は25年の年初1日だけで暫定2907億円も買われた(24年は年初に1日だけで確定1663億円)。
「eMAXIS Slim以外で強いのが『アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース』年間増加額1兆2136億円と『インベスコ 世界厳選株式オープン』7059億円で、いずれも毎月分配型。インベスコは24年の資金流入額が減少しましたが、高水準であることに変わりはありません。両ファンドとも新NISAで買えないのに売れ続けています」
8位「netWIN GSテクノロジー株式ファンド Bコース」4119億円。この名を見て「懐かしい」となった人は古参。ゴールドマン・サックスの老舗ファンド(1999年設定)だ。テック系米国株全盛で純資産総額も1兆円台に育っていた。1年リターンも1位のS&P500より高い46.0%。信託報酬も2.09%と高いが。
「意外なところで、野村『のむラップ・ファンド』の普通型と積極型。今回のランキングでバランス型はこの2本だけです」