[撮影:蜷川実花/hair 吉田真妃(クララシステム)/styling 近藤伊代/costume MAYUKODAIMON furuta DOKKA vivid/prop styling 遠藤 歩]
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 次々に注目作に出演し、俳優として目覚ましい活躍を見せているファーストサマーウイカさん。飽くなき向上心の源泉を聞いた。AERA 2025年2月10日号の記事より。

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――あるときは俳優として、またあるときはバラエティー番組を盛り上げるタレントとして。ジャンルの垣根を軽やかに飛び越え、幅広く活躍するファーストサマーウイカさん。自身はどのような思いで異なる分野を行き来しているのだろう。

ファーストサマーウイカ:バラエティー番組への出演が続くときは「早くドラマに入りたいな」と思いますし、ドラマのお仕事が続いている時は「ちょっとバラエティーも恋しいな」という気持ちになることもあります。これは気質というか、自分の性格上、仕方がないことなのですが、同じことをずっとは続けていられないタイプ。興味の対象がすぐに移り変わるので、同じアルバイトも2年と続けられなかったですし、掛け持ちをしていた時期もあります。「一つのことに10時間以上も没頭して気づけば夜になっていた!」なんてことは人生で一度も経験がないので、マルチタスクの方が向いている人間なのだと思います。

綺麗な五角形になる

 和洋中をローテーションで食べていたいタイプですし、自分のなかにルーティンというものもなく、毎日違うことをしてしまう。毎朝同じ時間に同じメロンパンを必ず食べているという話を聞けば、「私にはできない!」と尊敬します(笑)。

 本音を言えば、「自分にはこれしかできない」と圧倒的な才能がある方に憧れますし、そう言葉にしてみたい気持ちはあります。でも、私はサッカーに置き換えれば様々なポジションや役割をこなす「ポリバレント」な選手は目指せるのではないか、とある時から考えるようになりました。

 突出したものが自分にないのなら、他の誰もがチームを組みたくなるような圧倒的なポリバレントになればいい。一つのことのレベルを極限まで上げることはできないけれど、牛乳をかけた時のコーンフレークの栄養価のように、綺麗な五角形を目指せればそれでいいのではないか、といまは思っています。

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いつかは映画祭に