[撮影:蜷川実花/hair 吉田真妃(クララシステム)/styling 近藤伊代/costume MAYUKODAIMON furuta DOKKA vivid/prop styling 遠藤 歩]
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 芝居にバラエティーに活躍の場を広げ、多様な姿を見せるファーストサマーウイカさん。気持ちが凹んだ時の立て直し方とは。AERA 2025年2月10日号より。

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――2024年はドラマ「不適切にもほどがある!」、NHK大河ドラマ光る君へ」に立て続けに出演し、放送中のドラマ「フォレスト」でも主要キャストの一人を演じている。想像するだけでも多忙な日々。自身にとって、どんな1年だったのだろう。

ファーストサマーウイカ:「不適切にもほどがある!」と「光る君へ」の撮影が並行して行われていた時期もあり、お芝居についてじっくり考えたかと思えば時々バラエティーにも出演して、と様々なお仕事を同時進行で行っていました。

 ただ、「飛躍した」「次のステージに進んだ」というよりは、いままで自分のことを知らなかった方々のところにも少し届くようになったかな、という感覚です。「一歩進むことができた」という表現が一番近いかもしれないですね。

 作品をご覧になった方々の心に届いたかどうかを知る直接的な手段って、SNSを通してエゴサーチをする以外ないのですが(笑)、より多くの方々に届いているという実感は私自身にもありました。

 大変なことはもちろんありましたが、どの現場も本当に素晴らしくて。放送中のドラマ「フォレスト」にも言えることですが、その瞬間に起こることに対してピュアかつ真摯に臨む方が多く、「この世には素晴らしい現場しか存在しないのではないか」と思うほど。そう考えると、尊敬するキャストとスタッフさんに囲まれ、つくづく自分は恵まれているな、と感じます。

基本は「前のめり気味」

――多様な役柄を演じ、忙しなく過ぎていく日々のなかで、気落ちしたり、「自分にできるだろうか」と不安になったりすることはないのだろうか。

ファーストサマーウイカ:もちろん、ありますよ。「ポジティブ」という言葉がぴったり当てはまるわけではないのですが、基本的に目の前にある物事に対して前のめり気味です(笑)。「不安のあまり消えてしまいたい」という感情を抱くよりは、「ジェラシー」が原動力になる。憎しみの感情を持つという意味ではなく、「人の頑張りに影響を受ける」ということでしょうか。これまで「蜷川実花さんに撮影してもらった」と聞けば、心底羨ましくて仕方がなかったですし、「CMのオファーが多い」という方がいらっしゃれば、「悔しい」という感情を抱いた後に、「なぜオファーが絶えないのだろう」と自分なりに分析したりしていました。その過程で凹んだりすることもあります。

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