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「羨望」という言葉が正しいかはわかりませんが、“憧れ”や“羨ましがって望むこと”が私のガソリンになる。一瞬ガーンと殴られたような感覚になった後、それらの感情をガソリンに変えていく。
隣の芝生はどうしても青く見えてしまう。これは、性格的に仕方がない、と割り切っているところでもあります。これからもきっと自分にとって隣の芝生は青いまま。隣の芝生を見て自分の畑を耕す、という作業を続けていくのだと思います。
「馬の鼻先にニンジンをぶら下げる」ということわざがありますが、他人の努力や功績が、私にとってのニンジンであり、それが刺激となり、自分は走らせてもらっている。仕事を長く続けていればそれだけ同年代の知り合いも後輩も増えていくわけですから、その分焦ったり、悔しい思いをしたりするようになる。そう考えると、ガソリンが切れることは永遠にないのかもしれないですね。
正しく伝えたい
――自分を俯瞰しながら、的確に分析する。何より、言葉選びが絶妙で説得力がある。
ファーストサマーウイカ:自分を客観的に見ているところはあると思いますが、同じくらい「理解してほしい」という気持ちが強いのだと思います。相手に伝えるのならミリ単位で理解してほしいというか、ただ雰囲気で察するだけでは終わらせたくない。「正しく伝えたい」という気持ちがあって、そのうえで好き・嫌いを判断され、取捨選択されるならそれで構わない。極力わかりやすい言葉で伝えたいという気持ちはあります。
私自身、インタビュー記事を読むのもドキュメンタリー番組を見るのも好きなこともあり、こうしてインタビューを受けるのも好きなんですよね。人と一緒になにかを作っている時間が好きで、見ず知らずの誰かになにかしらの影響を与えることができればいいな、と。記事として形に残るのはいいな、と思いますし、いまなら名前を検索すればすぐに過去の記事も出てきますから、やっぱり「何かを残したい」という気持ちが強いのかもしれません。
(構成/ライター・古谷ゆう子)
※AERA 2025年2月10日号より抜粋
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