「情熱大陸」ではすごい芸人が前提
2月2日放送の『情熱大陸』では、そんな今の田中の姿を密着取材で追いかけていた。第三期には「キモいと思われているけど、実はすごいところもある」という感じだったが、第四期の今ではすごい芸人であるというのは前提になっていて、その先にある人物像を深く掘り下げるような構成になっていた。
番組の冒頭、ロケで落とし穴に落とされた直後の顔中が泥まみれになっている田中にカメラが向けられる。「もらった仕事の中で、とりあえずできることをやるっていう感じなんで」と冷静に語る田中。今でも体を張った仕事をする彼のことを過度に美化せずに、フラットな見せ方をしているところが良かった。
この番組から見えた田中を象徴するキーワードは「理系」と「建築」。広島大学工学部出身の理系人間である田中は、仕事への向き合い方も計算高く合理的なところがある。また、建築家志望でもあった田中は、二級建築士の資格を取るために二十数年ぶりに勉強を再開していた。
建築家は大胆な構想と綿密な計算のもとに、壮大な建築物を造り上げていく。それはまさに田中という芸人の生き方そのものである。淡々とタスクをこなし、結果を出す。田中卓志は今日も「アンガールズ田中」という建築物を黙々と造り続けている。(お笑い評論家・ラリー遠田)
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