ボックスシートの壁をよく見ると、額縁の中に自分たちの姿が映ってる!メニューの表紙が塗り絵になっているのも楽しい

 しっかり食事を楽しみたいなら、ファミリー向けレストラン「100本のスプーン」へ。「コドモがオトナに憧れて、オトナがコドモゴコロを思い出す」がコンセプトのこのレストランでは、旬の食材を使った洋食メニューが楽しめる。ほぼすべてのメニューにハーフサイズがあったり、オトナもコドモも楽しめるランチコースがあったりと、コンセプトに違わぬ充実ぶり。店内はアートを楽しめる仕掛けがいっぱいで、ワクワクしながら食事ができる。

左から、農園野菜と穀物のサラダボウル1221円、オマールエビのビスクのクリームドリア1540円、ハンバーグステーキ特製デミグラスソース1782円、アイスティー539円

サントリー美術館/六本木

サントリー美術館は伝統&モダンの世界が広がる非日常空間。「生活の中の美」を基本理念に60年以上の歳月をかけて集められたコレクションは見ごたえ十分

 サントリー美術館は、サントリーの二代目社長・佐治敬三が創設した美術館。1961年に丸の内で開館し、75年に赤坂へ、そして2007年に六本木の東京ミッドタウンに移転オープンした。建築家・隈研吾によって設計され、和紙やウイスキーの樽を再生利用したホワイトオークの床材など、自然のぬくもりを感じさせる素材を使用した和モダンな作りとなっている。

カフェスペースの内装にも、美術館と同じウイスキー樽を再生利用した床材や縦格子が使われている。上品な空間で味わうスイーツはまた格別

 アート鑑賞の後は、美術館とひと続きになったカフェでひと休み。このカフェは、慶応元年に金沢で創業した加賀麩専門店「加賀麩不室屋」のプロデュースで、江戸時代から受け継がれてきた加賀麩の味を、"加賀麩とりどり膳"や"麩あんみつ"といった現代的なアレンジメニューで楽しめる。展覧会ごとに替わる特別メニューも人気だ。

色とりどりの加賀麩を使い、見た目も華やかな和パフェ。やさしい甘さとお麩のモチモチ食感がクセになる美味しさで、加賀棒茶との相性も抜群

山種美術館/広尾

山種美術館地下1階の広々とした展示室。ここで、企画展や特別展が開かれる。照明の工夫で、日本画の素材がよりよく鑑賞できる

 山種美術館は、実業家・山﨑種二が創設した日本初の日本画専門美術館。種二が横山大観や上村松園、川合玉堂など錚々たる作家たちと交流し、蒐集した日本画がコレクションの核になっている。年に6回ほどは展覧会を開催し、日本画を通じて季節の移ろいや自然の美しさを再発見できる。

カフェの店内は、イタリアのカッシーナ・イクスシー社のインテリアで統一されている。和菓子とお抹茶のセットは1300円。和菓子はテイクアウトもできる

 併設する「Cafe 椿」は、季節の和菓子や抹茶をいただける気品あふれるカフェ。和菓子は、青山の菓匠・菊家が日本画をモチーフに作る美術館オリジナルで、展覧会ごとに入れ替わる。ドリンクにもこだわりがあり、京都のスマート珈琲店のブレンドが京都以外で飲めるのはここだけ。夏には冷抹茶も楽しめる。

(構成 生活・文化編集部 清永 愛)

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