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働き方やライフスタイルが多様化し、自分らしい生き方を選ぶ時代。人生のポジティブな選択肢の一つとして「離婚」を考える人も増えてきました。とはいえ、離婚後に生活が想定外に苦しくなることは避けたいもの。離婚カウンセラーの岡野あつこさんに、離婚とお金について聞く第2回のテーマは「別居中&離婚後の心得」です。

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「愛人を訴えると言ったあとに、別居した夫が見せしめのように生活費を下げてきた事例があります」

 岡野さんがこう話すのは、A子さん(50代後半)のケースだ。

婚姻費用算定表

「夫に浮気されたことへのいら立ちが止まらなかったA子さん。夫を問い詰め、責めすぎてしまったあまり、夫は家を出てしまいました。問題はここからです。実はその夫は浮気をした後も、ちゃんと妻にはお金で誠意を見せていました。毎月給料袋ごと、十分すぎる生活費をA子さんに渡していたのです。しかし、別居を機に『婚姻費用』という決まった額だけになってしまいました。『愛人を訴える!』とA子さんが感情的になりすぎたんです。こういうのをヤブヘビっていうんです。この年代に意外と多いんです」

 別居中であっても、夫婦にはお互いの生活費を負担する義務がある。これは民法第760条で定められており、婚姻関係が続いている限り、収入の多い配偶者が少ないほうに支払う義務を負う。この費用のことを「婚姻費用」といい、それを決めるには裁判所が公表している「婚姻費用算定表」を参考にして、第三者が行ったり、夫婦間で相談したり、裁判所に委ねたりする。

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