2日間でも効果は抜群

「EBCは、読み書きできるのに話せない人にはすごく効果的だと思う」と2人は口を揃える。

「学歴が高くて、知識は持っているけど話せません、みたいな部下に、このトレーニングを勧めたいと思っています」(Hさん)

筆者は2人とは正反対の、雑談は苦にならないが、人前でのプレゼンや語彙文法が苦手なタイプ。だが、そのどちらにも有効なプログラムだと感じた。

「新しい表現は覚えなくてもいいし、文法の間違いもひとまず気にしなくていい。とにかく発話することが重要なんです」とEBC運営の川元裕太氏も語っていたように、頭でわかっていてもできないことを体に叩き込む、まさにブートキャンプ。だからこそ、一度身につければ強い。「成功体験から成長曲線がのびる」との川元さんの言葉通り、この体験があれば、今後人前で英語を話す機会があっても乗り切れそうな気がする。

 価値観の転換。参加前はそれを単に、英語で話すことや間違えることが恥ずかしいという壁を取っ払うものだと思っていたが、それ以上だった。このプログラムを通じて、日本的な価値観にとらわれず、グローバルビジネスで求められるスタンダードにシフトできるのではと感じた。

 日本語禁止の「国内留学」。日本人の特性を理解したうえで組まれたオールイングリッシュのカリキュラムだからこそ、つまずく人が多いポイントが巧みに押さえられている。

また、参加してみてわかったメリットのひとつが、参加者の意識の高さ。明確な目標が眼前にあって参加しているケースが多いためか、講師の目がないところでも日本語を使う人は皆無。互いに勉強方法を教え合うなど、切磋琢磨にもつながった。そして何より、単純に楽しい、身のある2日間だった。

 イングリッシュブートキャンプの参加費用は、2日間昼食込みで10万7800円(税込)。「時間あたりで考えるとリーズナブル」だと参加者たちは口を揃える。数々の英会話スクールやプチ海外留学を体験してき猛者たちが、「確実に効果があった」「ほかでは得られない経験」だと感じていることを思えば、コスパもタイパも最強と言えよう。まずは次の週末、国内留学に挑戦してみてはいかが?(編集部・伏見美雪)

AERA 2025年2月3日号より抜粋、加筆

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