楽天証券 アセットプラットフォーム事業部の寺原ありさ〈てらばる・ありさ〉さん(撮影・佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)
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「AERA dot.」に最近掲載された記事のなかで、特に読まれたものを「見逃し配信」としてお届けします(この記事は12月19日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【図2点】年初一括VS毎月つみたて、過去30年の勝率が分かる図はこちら!

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 2024年1月上旬、「新NISAのつみたて投資枠で『年初一括した〜!』」という人が見られた。そもそも投資信託(以下、投信)は、毎月定額のつみたてと年初一括投資ではどちらの成績がよくなるのだろうか?【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】

 まずは基本的な知識から。

新NISAのつみたて投資枠だけを使い、毎月同じ金額で投信を買うなら月10万円、年間120万円まで。

 月10万円のつみたてだと『一生で使えるNISAの非課税枠1800万円(非課税保有限度額)』が15年で埋まります。

 もっと急ぎたい方、手元に余裕資金のある方は成長投資枠も併用OK。併用の場合、毎月定額のつみたてなら月30万円までになり、最短5年で枠が埋まります」(楽天証券アセットプラットフォーム事業部/寺原ありささん)

 成長投資枠を使わず、つみたて投資枠だけを使ってもいい?

「問題ありません。また、つみたて投資枠と成長投資枠の両方で同じ投信をつみたててもOKです。

 その場合、成長投資枠でつみたてる投信は『つみたて投資枠の対象投信』を選びましょう。

 なお、つみたて投資枠は『つみたてのみ』ですが、成長投資枠では一括(まとめて)投資もできます」

1月に360万円入金

 投資の世界では、リスク資産に投資するなら「より早く、より長く、市場にお金を置いておいたほうが増えやすい」とされている。

 そのため、1月の早い時期に「成長投資枠で一括投資240万円+つみたて投資枠のボーナス月設定をうまく利用して約120万円の投資」をし、新NISAの年間投資上限360万円のほぼすべてを入金する猛者もいるほど。

 10万円を12カ月かけてつみたてるか、120万円を1月にまとめて投資してしまうか。

 正直、「1年のうちの、いつ入金するか」の話なので長期投資では結果にたいした差が出ない気がするのだが、検証してみよう。

 ニッセイ基礎研究所主任研究員の前山裕亮さんに、1994〜2023年の過去30年間、年初一括投資した場合と毎月定額つみたてをした場合で、その年の12月末に資産がどれだけ増えたかを比較してもらった。

「過去30年間」を30回勝負とすると、年初一括のほうが全世界株式で19勝11敗、S&P500で22勝8敗と、勝率に差が出た(検証結果の詳細な表は本記事の最後にまとめて載せています)。

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