新年を祝う宮中の伝統行事である「歌会始の儀」が22日、開催された。今回のお題は「夢」。読み手のその時の心理が現れる和歌。過去の歌会始の和歌を読み解いた記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2024年1月21日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
【全身写真】圧倒的な品格を見せた歌会始でのローブモンタントの雅子さま
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新春恒例の皇室行事「歌会始の儀」が19日、皇居・宮殿「松の間」であった。今年の題は「和」。朗詠は一般応募の1万5270首から選ばれた入選者10人から始まり、選者代表や召人、高円宮家の長女承子さま、秋篠宮妃紀子さま、皇嗣秋篠宮さま、皇后さま、天皇陛下の順に披露された。雅子さまの御歌には、久々に「愛子さま」が登場した。
雅子さまの歌会始の儀で披講された御歌に、2017年以来ぶりに「吾子」の言葉があった。
「吾子」は、古くは「あご」と読み、「わが子。自分の子。」の意味。つまり愛子さまのことだ。
【広島を はじめて訪(と)ひて 平和への 深き念(おも)ひを 吾子は綴れり】
愛子さまは、学習院女子中等科3年生の5月に修学旅行で広島を訪れた。原爆ドームや平和記念資料館の展示をご覧になり、平和の大切さを肌で感じられたそうだ。
そのとき感じた平和への願いを、中学の卒業文集につづられた。雅子さまは、平和の大切さが愛子さまの世代、そしてさらにその次の世代へと将来にわたり受け継がれていくことを願われて、この御歌を詠まれた。
新年恒例宮中行事「歌会始の儀」の雅子さまの御歌には、愛子さまとのひとコマを詠まれたものが多くある。