そして企業も、EVが米国で売れなくなることを考え、北米以外に東南アジアなどに販売先や投資先の拠点をつくることが重要になっていくという。
猛暑に洪水、森林火災──。温暖化は様々な弊害をもたらす。影響を抑えるために日本や欧州各国は、米国抜きで温暖化と向き合っていかなければならなくなる可能性が高い。栂野さんは日本の役割として「途上国に資金面とともに技術面でも貢献できる」と話す。自然災害が多い日本は、豪雨をいち早く探知し避難を促す技術を培ってきた。それらを途上国に提供することが日本の役割でもある、と。
「脱炭素の実現にはグローバルな取り組みが必要です。日本は米国に追従せず、温暖化対策の枠組みが後退して空中分解しないよう、間に立ち取り持つことが重要です」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2025年1月27日号より抜粋