同志社大学准教授:三牧聖子さん(43)みまき・せいこ/同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授。専門はアメリカ政治外交史、平和研究。著書に『Z世代のアメリカ』など(写真:横関一浩)

三牧:日本は米国とどう向き合っていけばいいか。ガザでの死者数が甚大なものになる中、バイデン政権は、イスラエルへの80億ドルの武器売却案を議会通知しました。数日後、国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相に逮捕状を発行したことに反発した議会下院が、ICC関係者に制裁を科す法案を可決しました。トランプ政権でも親イスラエル路線が追求されるとみられる中、日本は単に米国に追随するわけにはいかない。「米国に見捨てられたら」と心配するだけではなく、米国に追随してはならない局面で、「米国を見捨てる」必要も出てくる。

会田:米国はトランプという異端の登場で、「普通の国」になっていくのだと思います。日本も他の国も、その前提で変わっていかないといけない。たとえば産業構造の変化や、労働者の賃金が上がらないなどの課題は、米国だけではなく日本を始め先進国が抱える共通の課題。米国と対等な同じ仲間として話し合う場を設け、一緒に考え、助け合って変えていく。そんな大きな発想の転換が必要な時代が来ていると思います。

(構成/編集部・小長光哲郎)

AERA 2025年1月27日号より抜粋

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