現在日本のエネルギー自給率は6%です(資源エネルギー庁『エネルギー白書2013』)。もし、カロリーベースでこの考えを導入すると……
食糧自給率39%×エネルギー自給率6%=2.34%
つまり、「2.34%」というのが、日本の本当の食糧自給率なのかもしれません。
加えて言うなら、化学肥料の原材料も輸入ものが多いので、肥料を食物のエサという考え方をすると、もっと低くなるかもしれません。これはあくまでも極論ですし、突っ込みどころも多々あるのは十分承知のうえですが、日本の食がいろいろな側面で不安定ということは間違いないように思います。食の輸入がストップするのにエネルギーだけが輸入されるというのは考えにくいですから。
●あなたの「自分自給率」は何%?
とはいえ、近所のスーパー、コンビニにいけば、食べ物もあふれているので、なかなかそんなこと実感できませんよね。
そこでこういった考え方はどうでしょうか。
「食糧自給率」の本来の意味は、「自分がまかなっている食のパーセンテージ」。
ということで、食糧自給率の話になったとき、私は、
あなたの「自分自給率」は何%ですか?
と聞くようにしています。
普段食べている「食」のうち、どのくらい自分でまたは家族・親族でまかなえているか。それを問うのです。
買い物をするということは、国でいうと輸入していることと同じです。「自分自給率」を考えると、食糧自給率という言葉に少し実感が湧いてくるのではないでしょうか。
・国から下ろしてくるのではなく、自分から広げていく。
・「自分自給率」は何パーセント?
・そして、あなたの住んでいる地域の食糧自給率は?
・あなたの住んでいる都道府県の食糧自給率は何%?
●ワースト1は東京!驚くべき都道府県別「食糧自給率」ランキング
ちなみに、都道府県別で見た場合、食糧自給率がダントツに高いのが、北海道の198%、次いで秋田(181%)、山形(136%)です(2013<平成25>年確定値・カロリーベース・農林水産省調べ)
食糧自給率100%を超えている都道府県は、47のうち6つと意外に少なく、全国ワーストの食糧自給率は東京都(1%)になります(2013<平成25>年確定値・カロリーベース・農林水産省調べ)。
人工密度、カロリーの高い穀物が多いなど要素はいろいろありますが、こう考えていくほうが、食糧自給率を「自分ゴト」にとらえられるのではないでしょうか?
そして、先の「自分自給率」。この「自分自給率」を上げることは、表の数字には出てこないかもしれませんが、結果的に国の食糧自給率を上げることに直結します。
家庭菜園する人が増えると野菜が売れなくなると、家庭菜園をあまりよく思っていない農家の方もいますが、そうではなく、農家がそんな「自分自給率」を上げるお手伝いする。育てる人が増えることは農への理解が深まるいいチャンスでもあります。わが「風来(ふうらい)」では、そういう想いから、農家と一般の人を結びつける「農コン」や「菜園教室」、苗の販売なども行うようになりました。農産物販売だけなく、こういった教室をすることが社会貢献につながると思うと、農家という仕事に誇りが出てくるのです。