ちなみに、Aさんのもとには、その後も主催者の女性から月に3回はお誘いのメッセージが届くようになった。また、参加したパーティー当時に知り合い、LINEを交換した男性もイベンターだったようで、同じように案内文が送られてきた。

「『前回は勝どきのタワマンだから失敗したんだ』と思い、その男性が六本木のタワマンのパーティールームで開いた合コンに行きました。『凄腕経営者、インフルエンサー、美女ほか楽しいメンバーが来ます』と書かれていたので、『今度こそは!』と期待しましたが、当日来たのは地方から上京したてのOLがほとんど。フリーで活動しているシンガー・ソングライターもいましたが、普段は新宿の駅前でカバー曲の弾き語りをしているそうです」

「安かろう、悪かろう」の営利目的パーティーも

 ここで気になるのは、「女性はどうやって集められるのか?」という点だ。これまでさまざまなパーティーに参加してきたフリーライターのツマミ具依さん(女性)は、次のように語る。

「異業種交流会など大勢が集まる飲み会でイベンターと知り合うと、毎月のように案内が送られてきます。その場合、女性の参加費は2000〜3000円で、ときに『20代は無料』ということもあります。ただ、安いと質も下がります」

 ちなみに、男性の場合、2~3万円を払うとVIP席(別室)が用意されていることもあるという。その「VIP」たちがタワマンパーティーの仕組みを理解し始めると、自らパーティーを開いたり、会員制のバーや個室サウナを貸し切ったりするようになる。

 一方、いつまでも質の低いパーティーを続けている人もいるという。

「結論、ショボい人間のやるパーティーはショボいんです。建物は立派でも、営利目的のタワマンパーティーは『汚い宅飲み』なんです」(ツマミ具依さん)

 タワマンへの憧れにつけ込み、出会いを求める参加者を搾取するような虚構のパーティーは、参加者が変わることで、いつまでも続いていくだろう。

ツマミ具依さんが参加した2015年のタワマン合コンパーティー。男性が圧倒的に多く、飲食物に豪華さはまったくない。「良い印象は記憶にない」(ツマミ具依さん)という(写真は一部加工しています)

(千駄木雄大)

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