「いずれのパーティーでも女性はドタキャンが多く、『つまらない』と感じるとすぐに帰ってしまうため、満足してもらえる環境を整えることが重要です。しかし、参加者の質と数を適切にそろえられないような主催者のパーティーだと、当然ながら提供される食事の質までも低くなり、結果として評判が悪くなることも多いです。評判が下がれば、その主催者のパーティーに参加する人が減るわけですが、彼らはその都度『ヒット・アンド・アウェイ』で新たな参加者を募るのです」(石上さん)

 主催者はタワマンに住んでいなくとも、イベンター同士のツテを利用して、実際のタワマン居住者からパーティールームだけ借りることもできる。Aさんが参加したパーティーが開かれたタワマンだと、1時間1000~2000円程度。

 ざっと計算すると、参加費だけで34万円。そこから安酒を買うなどして質を下げていけば、30万円程度の利益が出ていてもおかしくない。仮に主催者の女性が本当に保育士だったとしても、「副業」としてタワマンパーティーを週末に開くことは可能だし、GUCCIで着飾ることもできるのだ。

ターゲットは“弱者男性”の「非モテビジネス」

 石上さんが20年以上前に参加していたパーティーや合コンは、東京タワーを近くに見ることができる港区のタワマンで開かれていたという。公認会計士や税理士らが主催するそうしたイベントは、おしゃれで広い空間に30人ほどが集まる華やかなものだったといい、まさにイメージ通りのタワマンパーティーだ。それが、今や「弱者男性をターゲットにした非モテビジネス」に変貌してしまった。

「タワマンパーティーが以前ほどの魅力を失った背景には、タワマンの増加が挙げられます。それに伴い、パーティーや合コンの数も自然と増え、質の低下を招いていると感じます。そんな中から良いパーティーを見極めるためには、主催者がどのような人物かを確認することが大切です。『タワマン』という言葉に惑わされず、LINEで送られてくる案内文も、話半分で受け取るべきでしょう」(石上さん)

AさんのLINEに送られてきた【完全招待制】の「Luxury交流会&忘年会」の案内。過去を含め参加者の真偽のほどは不明。Aさんは「こうした、あり得ない文言にだまされていました」と話す。
元アイドルもキー局アナウンサーも5千円を払って参加したのだろうか?
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男性イベンターが開いた六本木でのパーティーならば