子育て世代への優遇措置が拡大

 より多くの人に関係があるのは、生命保険料の控除額の引き上げではないでしょうか。

 小さな子どもなど扶養家族がいる世帯にとって、万が一のときに備えて生命保険に入る人も多いと思います。

 そんな子育て支援策として、23 歳未満の扶養親族がいる場合には、2026年分の一般生命保険料の控除上限が4万円から6万円となります(ただし、生命保険料控除全体の控除額の合計12万円は変わりません)。
 

 また、年末における住宅ローン残高に応じた住宅ローン控除については、子育て世代を対象とする優遇措置は2025年度も引き続き適用されることになります。

 さらに、祖父母や親から結婚や子育てにかかる資金が贈与された場合、1千万円までは非課税になるという措置について、2026年度まで期限が延長されます。

 このように、子育て世代に対する支援措置が拡充されることになりました。
 

生活に関わる情報が見える税制改正大綱

 子育て支援以外では、iDeCoについて変更点がありました。

 企業年金に加入している方は、iDeCoの掛け金の金額を上限月額2万円として、合わせて月額5万5千円が限度額となっていましたが、これが6万2千円に引き上げられます。

 企業年金のない会社員は、月額2万3千円の上限が6万2千円に、自営業は国民年金基金と合計月額6万8千円が7万5千円になります。

 毎月の掛け金の上限が上がることで、iDeCoを活用して、より老後の資金を備えていくことができますね。
 

 税制改正大綱は、毎年の年末にまとめられるものです。

 与党である自民党・公明党がまとめた大綱の全文は、自民党のサイトなどで確認することができます。

 103万円の壁が123万円に引き上げられると、働き方が変わる方もいらっしゃるでしょうし、税制が変わることで私たちの手元に残るお金も変わってくると考えると、とても大事な決定です。

 このように、私たちの生活に直接関係する話題が、税制改正大綱にはたくさん盛り込まれています。

 今年の年末となると、ちょっと先のことになりますが、ぜひ年末には税制改正大綱のニュースをチェックしてみてください。

(横川楓)

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