税金についての制度は数多くあり、さらに毎年のように変更・改正されますので、それを一つひとつチェックしていくのは大変です。そこで注目したいのが、毎年12月に政府が閣議決定する「税制改正大綱」。新年度以降の大きな方針がまとめられており、大綱をもとに法案が作られていきますので、自分に関係する税制度についての情報を把握することができるのです。
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新年あけましておめでとうございます。この年末年始は9連休だった方も多いようですが、ゆっくり過ごせましたでしょうか。私は今年変わる制度や経済のトレンドなどをインプットするのに時間を費やしていました。
そんな私がチェックしていた一つが、2025年度の「税制改正大綱」。昨年12月27日に政府が閣議決定しました。
税制改正大綱は、新年度以降の税金の制度の方針などをまとめたものです。これをもとに作られた改正法案が国会で審議され、3月に成立すれば4月から施行されることになります。
「税制改正大綱を閣議決定」(2024年12月28日配信、朝日新聞デジタル)
政府は27日、2025年度の税制改正大綱を閣議決定した。所得税の課税最低ラインを「103万円」から「123万円」に引き上げる。
「103万円の壁」はどうなった?
年収の壁についての議論は、衆院選から年末にかけて何度も話題になっていましたね。
「103万円の壁」とは、給与収入がメインの方の場合、基礎控除の48万円と給与所得控除の55万円があり、合わせて103万円までは所得税がかからないというものでした。
今回の税制改正大綱では、基礎控除が48万円から58万円に、給与所得控除は55万円から65万円となり、控除額の合計が123万円となりました。
衆院選で議席を伸ばした国民民主党は、178万円までの引き上げを求めているわけですが、今回の改正大綱ではその額まで届きませんでした。