
AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:4歳の娘が春から幼稚園に通い始めました。保育園の時は「ママ友作らない主義」で通していましたが、幼稚園はそうもいかない雰囲気です。一度勇気を出して声をかけてみたのですが会話が続きませんでした。子ども同士が仲良くても親同士が気が合うかは別問題。私は群れることが昔から苦手です。なんだか自分の幼少期を思い出して気持ち悪くなりました。でも娘のためにママ友を作ったほうがいいのか。悩ましいです。(女性/フリーランス/45歳/やぎ座)
A:こういうケースでは、適度な距離感を保ちながら、なにか仲良くなるきっかけが起きるのを待ったほうがいいというのが僕の考えです。
群れることが昔から苦手で、幼少期を思い出して気持ち悪くなるとまで言っているので、かなり強固なバリアがあるんだと思います。それは全然悪いことではないし、無理して仲良くしなくていいんじゃないかなと思いました。
コミュニケーションが得意な人たちは、何も考えずに「ご飯行かない?」と声をかけることができますが、一方で「この言い方で失礼じゃないかな」と考えてしまうタイプの人もいます。
失敗すると結構致命的だから、無理して踏み込む必要はありませんが、きっかけを待つにもただ待つのでなく、いいやり方があります。
それは遠目に仲のいいママ友同士を見つけたら「あの人たちは素敵な人たちだな」と思って眺めることです。ポイントは「のどかなリスペクト」を醸し出すこと。
人と仲良くなるコツって、ライバルにならずにリスペクトに留めておくことだと僕は思っていて。自分とタイプが違う人たちを見て「うらやましい」「なぜ私にはできないんだ」みたいに自分に刀を向けてしまうと、ライバルの関係になってしまいます。
そうではなく、ただ敬意を持ってその人たちの存在を認めるみたいな感じを意識してみましょう。その雰囲気から、あ、話しかけやすそうな人だな、と相手が気づいてくれるはずです。
あと、もし僕が自分から声をかけるとしたら、「この辺りでいいスーパーありませんかね」とか、わざとちょっと間抜けな質問をするかもしれません。「あまり土地勘がなくて」のように困っている雰囲気を出すと、気にかけて声をかけてくれることがあります。そういう嘘はほんのちょっと交ぜてみてもいいのかなと思います。
やぎ座はコミュニケーションで悩む人が多くて、「自分が役に立たなきゃ」と思ってしまったり、すごく考えてアプローチする人たちです。ちょっと仲良くなったと思って暴走して失敗するパターンも。
あんまり自分からグイグイ行かずに「周辺にいるいい人」に徹してみると、時間をかけて少しずつ仲良くなれると思います。そのためにも「のどかなリスペクト」をぜひ身につけて。自分にできないことをやっている人に苦手意識を持つのでなく「あの人たちすごいな」って、ただそれだけ思っていれば、意外となんとかなっていきますよ。
※AERA 2025年1月13日号