――確かに「先送り」しているうちに病気になったら、何のためにお金を貯めていたのかわかりませんね。

 「お金」と「健康」と「時間」、この3つをどううまく組み合わせるか。たとえば、サッカーをしたいとか、スキューバダイビングをしたいとか、世界一周旅行をしたいとか。こうしたことは70歳を過ぎたらかなりきつい。感性豊かな若い頃に行ったほうが良い。そのためにも、自分がやりたいことを10でも30でもリストアップして「今しかできないこと」から先送りせずに実行する。この生き方、このお金の使い方が、人生を豊かにしてくれます。

 子どものためにお金を使うのも、生きているうちにすることです。お金が必要になるのは教育費用や住宅の購入などを考える30代、40代前後です。その時期にお金を渡してあげましょう。死んでから渡したってその頃の子どもはきっとそれなりに貯蓄があって、喜び半分、相続税の支払いの疲弊半分ですよ(笑)。

人生を楽しみましょう

――よく「何歳に死ぬとわかっていたら、お金をもっとたくさん使えるのに」と言う人がいますね。

 本当にもったいない。60歳を過ぎてもまだ旅行を我慢している方は航空会社のシニア割などを上手に使って、旅行を積極的にしてほしい。もう一度言いますね。もっと、人生を楽しみましょう。せっかくあなたが貯めてきたお金なんですから。

次回のテーマは、「日本への投資のススメ」です。

▼▼▼AERA最新号はこちら▼▼▼