楽天証券資産づくり研究所 副所長 ファンドアナリストの篠田尚子〈しのだ・しょうこ〉さん(写真・本人提供)
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 新NISAがスタートして1年が経った。まだ手続きしていない人も、すでに済ませた人も、いまいちど制度を復習したい。過去の人気記事を振り返る。(この記事は2024年12月3日に「AERA dot.」に掲載されたものの再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。

【ランキング表公開】「新NISA8カ月で買われた投資信託ベスト30」はこちら!

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 新NISA開始の2024年1〜8月に買われた投資信託は? 主要ネット証券5社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、auカブコム証券)の非公開データを本誌が集計し、ベスト30を発表!【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2024秋冬号」から抜粋しています】

 東証ETFを除く、新NISAのつみたて投資枠の対象投資信託(以下、投信)は292本(2024年10月1日現在/金融庁)、

 成長投資枠の対象は1978本(同9月30日現在/投資信託協会)。

 この中で最も買われたのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(以下、オルカン)だった。8カ月間の買い付け金額合計は1兆4020億円。

 オルカンの2024年1〜8月の純流入額は1兆7190億円なので、全体の81%以上が主要ネット証券5社の新NISA経由で買われたことになる。

 2位の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」も8カ月間で1兆812億円と、1兆円の大台に乗せた。

 本誌が2024年3月末時点で「新NISA3カ月調査」をしたときと比べ、オルカンとS&P500の差は縮まっている。

 3月末時点でオルカンは6337億円、S&P500は4678億円。つまり4月以降はS&P500のほうが買い付け金額は伸びたわけだ。

 3位は「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」、4位は「楽天・プラス・S&P500インデックス・ファンド」。

 S&P500はライバル投信が多いので買い付け金額を取り合っていると考えると、指数としての一番人気はS&P500かもしれない。

米国株一辺倒に懸念

 楽天証券資産づくり研究所副所長でファンドアナリストの篠田尚子さんは語る。

「予想通りの結果で、サプライズはありません。多くの方が同じものをたくさん買っています」

 ここ数年、調整が入りつつもエヌビディアを筆頭に米国株は上昇してきたわけで、初心者も上級者も米国株関連の投信を選んだことに驚きはない。

 オルカンも中身の62.5%が米国株(2024年9月30日現在)であり、大どころでは「似たようなもの」だ。篠田さんは米国株一辺倒の現状に対して懸念を示した。

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米国株は勝ち続けるか