もうすぐ9歳になる悠仁さま。大きな虫捕り網を手に元気に走り回り、昆虫を捕まえる=2015年8月、赤坂御用地、宮内庁提供

「3時間あればレポートは書けます」と“先輩”

 ところで、筑波大での理系の学生生活は、どれほど忙しいのだろうか。

「通学に往復3時間という学生は、そう珍しくもありません。また、車で通学ならば、その間にレポートくらい書けますよ」

 そう話すのは、広島大学大学院の長沼毅教授だ。筑波大学の第二学群生物学類(現・生命環境学群生物学類)を卒業しており、悠仁さまの「先輩」ということになる。
 

 一般的に「理系の学生は忙しい」と言われる。その意味は「講義で拘束される時間が長い」ことと「レポートの課題が多い」という表現に置き換えられる、長沼さんは話す。

「たしかに、一部の実験系の授業では日常的に拘束されますが、選ぶ授業によってかなり差があり、すべてが拘束される内容とは限りません。いまの子は、隙間時間を使うのも上手ですから、通学やちょっとした空き時間にレポートの課題をこなす学生もいます」
 

 長沼さんは悠仁さまの「先輩」として、また学生を指導する立場として、世間の大人やメディアは「難しい」「無理だ」などと批判ばかりせず、“18歳の若者”をもっと応援すべきだと指摘する。

「悠仁さまを『自分の意志で特別な人(皇位継承者)になったのではない、ひとりの若者』と見た場合、この若者にやりたいことがあるのなら、大人たちは全力でサポートすべきです。つまり、『できる』か『できない』か、ではない。悠仁さまが理系の学生生活を『やる』か『やらない』かですし、周囲の大人がひとりの若者をサポートするかしないか。それだけです」

 皇位継承順位2位という立場にある皇族として、来年春からスタートする悠仁さまの学生生活は、どのようなものになるのだろうか。

(AERA dot.編集部・永井貴子)

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