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高速化した定番RAW現像ソフト

 OpticsPro(オプティクスプロ)は、カメラやレンズの光学的な欠陥を補うという切り口で開発されたRAW現像/写真加工ソフトウェアだ。画像をセレクトする「選択」モジュールと、それぞれの編集パラメーターを操作する「設定」モジュールの二つで構成され、カタログなどのデータベース操作が不要だ。実際の編集作業はプレビュー画面を見ながらスライダーを動かすか、ドロップダウンから効果の強度を調整、または数多く用意されているプリセットを適用するなど、ほぼ自動といってよいほど簡単な操作で補正・編集できる。RAW現像初心者でも迷うことなく使用できるだろう。しかし、保存される画像のクオリティーは高く、特に強力なノイズ除去はプロカメラマンの間でも定評がある。
 前バージョンから約1年半ぶりの発売となった新バージョンでは、目立った新機能はないが、確実に進化している。ノイズ除去ツールは新アルゴリズムの「PRIME 2016ノイズ除去テクノロジー」になり、書き出しの処理時間が大幅に短縮され、シャドー部のディテール再現性も向上している。なお、一部機能が省略されたエッセンシャル版(キャンペーン版9900円)では、PRIME2016によるノイズ除去機能が省かれているので、必ずエリート版を選びたい。
 ほかのRAW現像ソフトと併用する一本として候補に挙げてみてはいかがだろうか? 派手さはないが既存ユーザーでもアップグレードする価値はあるだろう。

ツール類が並ぶ補正パレットは使用頻度に応じて並び替えたり、使用しないツールを隠したりと変更可能だ
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ツール類が並ぶ補正パレットは使用頻度に応じて並び替えたり、使用しないツールを隠したりと変更可能だ
OpticsProのウリともいえるカメラとレンズの補正データの管理(ダウンロードや削除)も簡単
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OpticsProのウリともいえるカメラとレンズの補正データの管理(ダウンロードや削除)も簡単
5枚のRAW画像をノイズ処理を含むバッチ処理をしたところ、前バージョンでは2分39秒かかった。今回のバージョンで処理したところ、2分8秒と大幅に短縮した
5枚のRAW画像をノイズ処理を含むバッチ処理をしたところ、前バージョンでは2分39秒かかった。今回のバージョンで処理したところ、2分8秒と大幅に短縮した

◆増田雄彦

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●Windows OS:Windows7 SP1/8/8.1/10。CPU: Core 2 Duo(Core i5 以上を推奨)、AMD Athlon 64 X2またはそれ以上。メモリー:4GB以上(8GBを推奨)。ハードディスク:2GB以上の空き容量(6GBを推奨)
●Mac OS:Mac OS X v10.10 ~v10.11。CPU:Core i5 またはそれ以上を奨励。メモリー:4GB以上(6GB以上を推奨)。ハードディスク:2GB以上の空き容量(6GBを推奨)(いずれも要インターネット環境)
●価格:エリート日本語版キャンペーン版1万4900円(通常1万9900円)。エリート版アップグレード6900円(from v1~v10エッセンシャルまたはスタンダード、fromv1~v10エリートともに)

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