「1期の書類には『将来は経験と資格を生かしてクルージングなどの会社を起業し、地域を活性化する』といった、いかにもSFCが好みそうなことを書いたんです。実際には、将来何をやりたいかわかってもいなかったのに。そのあたりを見破られたと思います」
そこで2期では、
「自分がSFCで学びたいことは何かを何度も何度も書いてみました。すると、アイドルのことを研究したい、SFCには音楽と脳の関係を研究している先生がいて、その方のもとで研究をしたいという気持ちが強いことがわかったので、それを伝えました」
素直に自分と向き合ったことが、評価されたということだろうか。
自身の受験体験を踏まえ、読者世代に訴える。
「もしお子さんが私のようにあまり成績がよくなくても、東大や慶應に行きたいと言ったなら、否定しないでやってください。周囲から『無理だ』と言われ続けた私でも、合格できたんです。合格への道はきっとあります」
(取材・文/本誌・菊地武顕)
※週刊朝日 2023年4月21日号