TOKYO FMのラジオマン・延江浩さんが音楽や映画、演劇とともに社会を語る連載「RADIO PAPA」。今回は三上博史の舞台「HIROSHI MIKAMI HEDWIG AND THE ANGRY INCH【LIVE】」について。

HIROSHI MIKAMI/HEDWIG AND THE ANGRY INCH【LIVE】(撮影/引地信彦)
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 三上博史は人里離れた山からおりてくるたび、僕の心をかき乱す。

 今年の頭は寺山修司没後40年を記念した「三上博史 歌劇 ―私さえも、私自身がつくり出した一片の物語の主人公にすぎない―」(新宿・紀伊國屋ホール)での規格外の演技に圧倒された。

 先日、高橋和也と原田喧太と一緒にいる席で三上博史の話題になり、思い切って電話をしたら、和也と喧太は彼と言葉を交わせたことに感動し、「三上博史」という表現者の存在の大きさを実感した。

 そしてこの師走、20年ぶりの「HIROSHI MIKAMI HEDWIG AND THE ANGRY INCH【LIVE】」を観た。

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演技は“月の活動”