パーカーおじさんは、おじさんの自己認識なし?
恋愛コラムを多数執筆している妹尾氏としては、パーカーおじさんから漂う、女性からのまなざしへの無頓着さも気になるという。
「女の子たちの話を聞いていると、世の中のおじさんに清潔感を求める声は根強いです。おじさんにとって、だらしなさを取り除くことは重要課題なのに、なぜセーターやシャツではなくパーカーを選ぶのか。私が日ごろ出入りしている夜の社交の場にも、仕事終わりにパーカーを着てくる人はいます。体形を隠すのに都合がいいからなのか、カッコいい格好をするとかえってカッコ悪さが浮き彫りになるからなのか、理由を聞いてみたいです」
こう首をかしげる妹尾氏だが、パーカーおじさんの心理としては、“自分がおじさんだと気づいていない説”を有力視している。女性の場合、パーカーおじさんと双璧をなすような、TPOと服装がズレたおばさんを見かけることがあまりないという“印象”を引き合いに、妹尾氏は持論を展開する。
「おばさんはコミュニティー文化が強いので、同世代とアフタヌーンティーに行くなど内々の楽しみを大事にする傾向がある。おばさん同士で仲良くしているから、自然と自分もおばさんだという自己認識になるのでしょう。一方おじさんは、若い子とつるみたがる人が多い。飲みの場で部下や後輩からお世辞で褒められたり、キャバクラで女の子からちやほやされたりする中で、自分はまだ若いと勘違いしたり、老けていないアピールに必死になったりして、若作りのパーカーおじさんと化すのかもしれません」