占い師、作家 しいたけ.
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 先週に多く読まれた記事の「見逃し配信」です。ぜひ御覧ください(この記事は「AERA dot.」で2024年12月6日に配信した内容の再配信です。肩書や情報などは当時のまま)。

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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

Q:いまの仕事について6年目になりました。入社して結構苦労したなと思っています。誰も丁寧に教えてくれず、ほぼ放置でここまできました。まだ未熟なのですが、仕事の振り分けなども任せてもらえるようになりました。ですが、いまだに今のやり方でいいのかわかりません。彼氏との結婚の話も出ていますが、育休を誰も取得したことがなく、このまま会社にいるべきか結婚を機に転職するか迷っています。(女性/製造業/28歳/てんびん座)

A:何を仕事として選ぶかというより、一緒にいる人がどういう人たちか、が会社選びの大事な目安になる気がします。

 この連載でも度々お伝えしていることではありますが、やっぱり大事にしてほしいのが「自分のことを大事にしてくれるかどうか」です。甘やかしてヨシヨシしてくれることではありません。一緒に会社をもり立てていく仲間として目の前にいる人を大事にするかどうかは、会社のカルチャーとして現れているはずです。カルチャーって不思議なもの。社長や上司が「そんなものは不要」と考えていると、カルチャーは育たないまま、ギスギスした空気になっていきます。

 ご相談を読む限り、育休取得を言い出せないなど、会社の人たちが一緒に働く人を大事に思っていないような、「各々勝手にやってくれ」みたいな空気も感じます。

 ひとつの判断基準になるのが、「この人と一緒に転べるかどうか」だと思います。転ぶというのは、痛い思いをするという意味。「この人は今までとても自分のことを大事にしてくれたわけだから、この人と一緒にいて転ぶ体験があったとしても全然平気」と思える相手なのか、それとも一緒に転んだときに「なんてことしてくれたんだ」と恨みが発生する相手なのか。相手を大事にし合える信頼関係が育てられたのかどうか、判断できるはずです。

 これは、今の時代を生きる全員に伝えたいことですが、自分なりの「もういいかな」の感触を大事にしてほしいです。先週も書きましたが、2020年から24年の5年間が区切りとなり、25年からは拡大期に入ります。この5年、大混乱の底に落ちていくような不安感をみんなが抱えていましたが、そういう不安にもいい意味で慣れて、「しゃーない、またここから始めていくか」みたいな感じになっています。25年は新しい試みや動きが出てくるから、ひと区切りつけてしまうのも一つの手です。

 てんびん座という点を考慮すると、もしかしたら「この人は放っておいても大丈夫な人」と職場で思われている可能性もあります。てんびん座はわりと一人で学習していくことができる人たちです。例えば他の人が怒られている場面に遭遇したら、学習して自分が繰り返さないようにする学習能力があります。

 もし放っておいても大丈夫な人だと思われているようなフシがあるのなら、わかっていてもやり方を聞いてみるとか、自分から歩み寄ることを試してもいいかもしれません。

AERA 2024年12月9日号

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