今年は勝ち星がなかった高橋光成

勝ち星ゼロの高橋も「評価を大きく落としていない」

 大誤算だったのが、エースの高橋だった。右肩の張りで開幕を2軍でスタートし、4月中旬に1軍合流したが、1勝が遠い。痛打を浴びる登板が続き、6月下旬にファーム調整へ。8月に再昇格して5試合に登板したが、好投しても打線が援護できないなどかみ合わず、15試合登板で0勝11敗。ポスティング・システムでのメジャー挑戦を熱望していたが、今年は不本意な成績に終わり、来季は西武で巻き返しを目指す。

 前出の西海岸球団のスカウトは「高橋は評価を大きく落としたわけではありません」と強調する。

「5、6月は直球が走っていなかったのでコンディションに不安があるのか心配でしたが、夏場以降は状態を上げていた。良い時と比べるとまだまだですけどね。でも、早い時期に1勝していれば投球内容がガラッと変わっていたと思いますよ。本来は長いイニングを投げる馬力があるし、変化球の質も高い。直球に本来のキレを取り戻せば、2ケタ勝利をクリアするでしょう。来年も登板した試合はチェックします」

メジャーが注目する平良海馬

各球団の評価が高い今井と平良

 メジャーリーガーの代理人を務める関係者は、「今井と平良はメジャーの各球団の評価が高いですね」と証言する。

「今井は大人の投球ができるようになりました。以前は打たれると歯止めがきかない傾向がありましたが、今年は状態が良くない時も最少失点で切り抜けて、きっちり試合を作っていた。三振奪取能力が高いことも魅力です。直球は常時150キロ以上を計測し、スライダーも非常にいい。器用な投手なのでメジャーでもボールの違いや環境の変化に対応できるでしょう。平良はすべての球種が一級品です。多彩な変化球を持っているので、打者を抑えるパターンが多い。懸念点があるとすれば先発での実績が少ないこと。球団によってはリリーバーで獲得を望むかもしれない。今年は先発と救援の両方をこなしましたが、来年の起用法が気になりますね」

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