メジャーの評価が高い今井達也
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 今年、球団ワーストの91敗(49勝3分け)、トップのソフトバンクとのゲーム差42と、屈辱的な最下位に低迷した西武。シーズン途中に休養した松井稼頭央監督、その後に指揮を振るった渡辺久信GM兼監督代行は、いずれも退団が決まった。

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 西口文也新監督の下で再スタートを切ったが、常勝軍団再興への道は険しい。今年は貧打が深刻で、チーム打率.212、得点350はいずれもリーグワースト。打線の援護がないなか、投手陣には失点ができないと重圧がかかり、余裕を失ってしまう。攻守のミスもあって、ずるずると泥沼にはまっていった。西武には来季も厳しい戦いが待ち受けているだろうことは、球団フロントも現場も覚悟の上だろう。

メジャー関係者は「気になる選手が一番多い」

 だが、メジャー関係者は西武について意外な反応を示す。西海岸の球団スカウトは「気になる選手が一番多い球団が西武です」と言うのだ。

「西武には平良海馬、今井達也、高橋光成、隅田知一郎、武内夏暉とエース級の投手がそろっている。平良、今井、高橋はメジャーの複数球団が興味を示しています。映像だけでなく、実際に試合を視察することで印象が変わりますし、来年も西武戦はチェックする機会が多いと思います」

 確かに西武の先発陣は豪華絢爛だ。今井は今季10勝8敗、防御率2.34、奪三振187で、最多奪三振のタイトルを獲得。平良は右前腕の張りで3カ月戦列を離れ、8月以降は救援に回り22試合登板で3勝2敗9ホールド、防御率1.66と勝利の方程式を担った。隅田は9勝10敗、防御率2.76と自身初の2ケタ勝利に2年連続であと1勝足りなかったが、リーグ2位の179回1/3を投げている。打線の援護に恵まれない登板が多く、2ケタ勝利を軽くクリアしていても不思議でない投球内容だった。侍ジャパンのメンバーに選出され、プレミア12では中継ぎとして2勝を挙げた。大卒ルーキーの武内も10勝6敗、防御率2.17と規定投球回数をクリアし、新人王を受賞している。

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今年勝ち星ゼロの高橋に意外な評価が