覆面調査員になったり、歩いたり。楽しみながら、社会的課題を解決するポイ活も。今やポイ活は、エンターテインメントと化した。AERA 2024年12月9日号より。
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熱々のラーメンが食べたい。
寒くなり、そう思っていた記者は、ポイ活でラーメンを安く食べられると聞いた。
「覆面調査です。普通に飲食代の50%は戻り、時には100%の還元率で謝礼がもらえます」
と教えてくれたのは、ポイ活の達人で、『月3万円お得になる「ななえもん式」ポイ活術』の著書もあるポイ活インスタグラマー、ななえもんさん(40)。
覆面調査と言えば、星の数でレストランを格付けする「ミシュランガイド」が有名。だが、覆面調査員になれるのは、飲食業界で働いた経験があるなどその道のプロ。そう思っていたが、ポイ活では資格も経歴も不要で、スマホかパソコンさえあれば誰でもできるという。がぜん興味が湧いた記者は、覆面調査員になることにした。
利用したポイ活サイトは「ファンくる」。公式ホームページでは体験型情報サイトをうたい、会員140万人以上とある。
やり方は簡単。
ファンくるのサイトに登録し、後は自分が行きたいエリアと食べ物を選ぶだけ。
選んだのは、都内にあるラーメン店。年齢や入店時間など応募条件を確認して「応募」すると、「当選」の案内とともに「来店時に行う主なミッション」がメールで届いた。そこには次のように書かれていた。
・飲食内容で指定されている商品を注文する
・対応した店員の名札を確認する
・トイレのチェックをする
・指定の飲食内容の写真撮影をする
そして、店内では「メモを取らない」「モニターに関する会話をしない」など素性が絶対にバレてはいけないとある。
これらを確認して、いざお店へ。注文したのは、煮干しからダシを取った「煮干しラーメン」。1150円也。
ラーメンが到着すると、店員に正体がバレはしないか少しビクビクしながら、スマホで撮影。後は、ふくよかな煮干しのスープに仕立てられたラーメンを完食し、最後はトイレの清掃状況も確認して、店を後にした。