値上げラッシュが続くなか、生活防衛のために取り組みたいのは「ポイ活」だ。どうすれば効率的にポイントを貯められるのか。AERA 2024年12月9日号より。(【前編はこちら】「【徹底解説】ポイント5大経済圏の最新状況 物価高に負けないポイ活の攻略法」)
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自分が最も貯めやすい経済圏を選んだら、いっそう効率的にポイントを獲得していくためのワザも駆使したい。それは、ポイントアップキャンペーンを狙い撃ちすることだ。ポイント交換案内ポータルサイト「ポイ探」代表取締役の菊地崇仁さんは次のように語る。
「やはり、ポイントの発行量が圧倒的に多いのはeコマースです。各経済圏はeコマースを中心に、通常よりも有利にポイントが貯まるキャンペーンを頻繁に開催しています。ただ、所定の条件を満たすことや、事前にエントリーを行うことが還元率アップの前提になっているケースが珍しくありません」
ポイントアップを着実に享受するためには、キャンペーンの詳細を事前にチェックすることが不可欠だ。一方で、金額面でポイントアップの前提条件を満たすために、本当は不要なものまで購入してしまうというのはNG。生活防衛のために始めたポイ活が浪費につながるのでは、まさに本末転倒だろう。
実は、こうしたキャンペーンに頼らずとも、自分自身でポイントがポイントを生む仕掛けを作ることは可能。それは、貯まっているポイントを投資信託などの金融商品の購入に充てるポイント投資だ。
「私自身、期間限定ものなどの一部例外を除き、獲得したポイントはすべて投資に回すようにしています。本来、ポイントは現金に変えることができません。ところが、投資に回しておくと、先々で売却した際に現金で戻ってくるのです」(菊地さん)
ポイントの好循環
特に初心者こそ、ポイント投資で資産運用に慣れることが大切だと菊地さんは説く。
「期限が訪れると、ポイントは消滅してしまいます。これに対し、投資にはリスクがつきものとはいえ、ゼロにまで減ってしまう確率は極めて低いのが現実。それに、身銭と違ってポイントなら諦めもつきやすいでしょう」
そのうえ、ポイントのまま保有しているケースとは異なり、投資に回してしまうと有効期限は無関係になる。ただ、単にショッピングなどで貯めたポイントを投資に回すだけでは、「ポイントがポイントを生む」という好循環は生じない。こうしたサイクルをもたらすための仕掛けについて、菊地さんは説明する。