斎藤知事(右)と並ぶ折田楓氏(折田氏のnoteから)
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「斎藤劇場」はまだ終わっていなかった。内部告発を受けての疑惑追及、県議会全会一致の不信任決議を受けての失職、出直し選挙での逆転再選と、劇的な展開の主役だった兵庫県の斎藤元彦知事だが、当選したばかりで、また新たなスキャンダルが浮上。「斎藤劇場第2幕」となりつつある。

【写真】斎藤知事の選挙カーの上でライブ配信する折田氏

 発端は、斎藤氏の選挙戦の「勝因」とされているSNSだ。当初、斎藤氏は1人で街頭に立ち知事選に臨んだが、SNSを駆使して支援者が急拡大。選挙戦終盤になると斎藤氏の演説会に支援者たちがあふれ、斎藤コールを繰り返すまでのムーブメントを巻き起こした。そのSNS戦略を手掛けたという人物が“舞台裏”を公表したところ、公職選挙法違反の疑いがあると指摘される事態になっているのだ。

〈広報全般を任せていただいていた〉

 斎藤氏のSNSなどを手掛けたことをnoteのブログで公表したのは、兵庫県西宮市のPR会社、merchu社長の折田楓氏だ。

〈兵庫県知事選挙における戦略的広報:「#さいとう元知事がんばれ」を「#さいとう元彦知事がんばれ」に〉
 というタイトルをつけ、
〈斎藤陣営で広報全般を任せていただいていた立場として、まとめを残しておきたいと思います〉
 と、斎藤氏が当選するまでのSNSなどの広報戦略を細かく公開した。(以下、〈 〉内は折田氏のブログから)

 斎藤氏は選挙中に「ひとりぼっち」というフレーズを繰り返していた。2021年の最初の知事選では、自民党と維新の資金と組織のバックアップがあった。しかし内部告発された疑惑追及の中で斎藤氏の対応が不信感を招き、自民、維新を含めた県議会全体から「不信任」とされた。このため、失職後、斎藤氏は組織の支援なく知事選に臨むことになった。そこで斎藤氏が頼ったのが、折田氏の会社だった。

〈とある日、株式会社merchuのオフィスに現れたのは、斎藤元彦さん。それが全ての始まりでした〉

〈お一人から始められた今回の知事選では、新たな広報戦略の策定、中でも、SNSなどのデジタルツールの戦略的活用が必須でした〉

〈ご本人は私の提案を真剣に聞いてくださり、広報全般を任せていただくことになりました〉

 斎藤氏の「コピー」戦略については、こう記される。

〈コピーは、以前の「躍動する兵庫」から「兵庫の躍動を止めない!」へ。カラーは、兵庫県旗の色を意識した「兵庫ブルー」をベースとした斎藤さんオリジナルの「さいとうブルー」に一新しました〉

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