スクリーンショットを撮って送信するとすぐに、PayPayの受取用のURLが届き、「こちらの副業に関しまして、継続される認識でお間違い無いでしょうか?」と質問された。PayPayの受取金額は表示されていない。受け取らずに「はい」とだけ回答した。
すると、
「お支払いする報酬を受け取る為のアカウントをお作りいただきます」
と指示され、ここで筆者は「考えます」と回答し、相手とのやりとりを終えた。
こうしたやりとりについて、SNS上での疑わしい広告などについて詳しい、海賊版サイト「漫画村」(閉鎖)元運営者の星野路実氏に聞いた。
「プラットフォーム企業の審査が機能していない」
「タスク詐欺と呼ばれるものです。『簡単な作業』と言って、特定のサイトに移動させて、仕事を振る。ただ、代償として、保証金を仮想通貨で振り込むよう指示してきます。仮想通貨だと“アシ”がつかないからです。その後はもちろん保証金は返ってこないし、仕事の報酬も受け取ることはないです。最初にPayPayで数百円を受け取ることから『本当にもらえるんだ』と信じてしまう人が、10〜30代を中心に多いようです」
星野氏によれば、保証金の額はそのときどきで変わっており、数万円のケースが多いが、なかには10万〜30万円というときもあるという。
実際に星野氏のもとにも「案件を紹介され、保証金を渡したのに何もお金が振り込まれなく、保証金も戻ってこない」といった問い合わせが数件あったと話す。星野氏に連絡した人のなかで、一部の人は警察に相談しているという。
インターネット詐欺に詳しい人物によると、これらの広告を出して、お金を騙し取っているのは海外の詐欺師のケースが多いといい、「ほとんどがアジア圏だと聞いています。また、その手口をまねして、最近は日本でも半グレが犯行に及んでいるようだ」。
こうした広告が出ることについて、ネット広告の専門家はどう見ているのだろうか。
広告コンサルティング業務などを展開するクロスワーク株式会社の笠井北斗代表取締役は、
「メタやグーグルなど、プラットフォーム企業の審査が機能していない」
と指摘する。