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2016年5月度のギャラクシー賞 テレビ部門には下記の各番組が選ばれました。

* * *
NHKスペシャル 大アマゾン 最後の秘境 第2集
「ガリンペイロ 黄金を求める男たち」
5月8日 21:00~21:49/日本放送協会

●日曜ビッグバラエティ
「池上彰のご当地ウラ事情 今、地方知れば日本がわかる!~」
5月15日19:54~21:48/テレビ東京

●NNNドキュメント’16
「障害プラスα~自閉症スペクトラムと少年事件の間に~」
5月15日25:00~25:55/日本テレビ放送網

●クレイジージャーニー
「リヤカーマン」
5月19日/24:12~25:00/TBSテレビ

【5月の月評会報告】 タブーに踏み込んだ問題作に議論沸騰

 5月のドキュメンタリーは賛否含め多くの番組が俎上に載った。なかでも最も熱い議論を呼んだのがNNNドキュメント'16「障害プラスα~自閉症スペクトラムと少年事件の間に~」(日本テレビ)。自閉症=犯罪者という偏見を招きかねないタブーに踏み込んだ問題作ではある。だが、保護者の声を盛り込むなど制作側の配慮が伝わり、何よりも危うさははらんでいても報じることに意味があるということで月間賞に決まった。

 ドキュメンタリーからはもう一本、NHKスペシャル「大アマゾン第2集 ガリンペイロ 黄金を求める男たち」が月間賞に。迫力ある人間ドキュメントで、こちらは異論なく、すんなり決まった。

 憲法記念日(3日)の前後には憲法をテーマにした特番、レギュラー番組が放送されたが、残念ながら月間賞に推挙されるほどのものはなかった。改憲護憲で揺れる今年、テレビは憲法とどう向き合ったのか、岡田委員が私論で総括している。

 他にNHKスペシャル「そしてバスは暴走した」、NNNドキュメント'16「生きる伝える 水俣の子の60年」(本県民テレビ)も高評価。NHKスペシャル「天使か悪魔か 羽生善治 人工知能を探る」、同「そしてテレビは戦争を煽った~ロシアvsウクライナ 2年の記録~」は賛否両論だった。

 バラエティでは毎月のように推薦番組に挙がる「クレイジージャーニー」(TBSテレビ)が、リヤカーで世界を歩く冒険家「リヤカーマン」で満を持して月間賞に。地方の小さなニュースから世界と日本が見えてくる日曜ビッグバラエティ「池上彰のご当地ウラ事情」(テレビ東京)は池上彰がバラエティでも本領を発揮し、月間賞に決まった。他に、吉川晃司をゲストに迎えた「関ジャム完全燃SHOW」(テレビ朝日)、食品サンプル職人の本気の作品を特集した「タモリ倶楽部」(同)などが好評だった。

 ドラマでは、大人の恋愛ドラマ「コントレール〜罪の恋〜」(NHK)、満島ひかりが好演する「トットてれび」(同)、宮藤官九郎ならではの群像劇「ゆとりですがなにか」(日本テレビ)、盲ろうの少女とダメ男の交流を描く「奇跡の人」(NHK BSプレミアム)など、連続ドラマが豊作。いずれも最終回を迎える6月には月間賞候補に挙げられそうで、期待が集まる。

 NHKはNスペだけではなく、特集ドラマ「最後の贈り物」でも人工知能を取り上げた。その出来映えについては、滝野委員の私評をGALACにてお読みいただきたい。 (宮崎美紀子)