一方、ハリス氏はローガン氏から声がかかっていたものの、スケジュールを理由に断った。米メディアによると、トランプ氏を先に招いたローガン氏のインタビューに応じることで、リベラル派からの批判を恐れていたとされる。代わりに、伝統的な人気コメディー番組「サタデー・ナイト・ライブ(SNL)」に11月2日に出演、そっくり俳優とわずか90秒のコントを披露した。テレビ局側の配慮もあり、出演したという事実以外は、政治色は皆無だった。コント部分だけのYouTubeビデオは4日までに960万回再生された(ニューズウィークによる)。

 しかし、尺も内容も再生回数もローガン・トランプのビデオにははるかに及ばない。かつては、翌日の話題に乗り遅れないように人々が見ていたSNLも年々視聴者数を減らしている。ローガン氏のポッドキャストが、伝統的メディアであるテレビを凌駕したことを示す事実だ。こうした現象は、4年前の大統領選挙ではまだ見られなかった。

 日本では米国ほど根づいていないポッドキャストだが、米国では過去十数年ほど、人気が上昇している。米調査会社エディソン・リサーチによると、24年には12歳以上の市民の67%がポッドキャストを聞いた。同様に、47%が毎月、ポッドキャストに接しており、調査の週にポッドキャストを聞いた人は34%。同社は「主要なメディアプラットフォームに成長した」と指摘する。今回の選挙結果を見ると、選挙戦においても重要な役割を果たすことが分かった。おそらく今後、選対本部や広告会社などもポッドキャストをかなり意識するだろう。(ジャーナリスト・津山恵子=ニューヨーク)

AERA 2024年11月25日号より抜粋

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