ワシントンのホワイトハウス前で、政府職員に拍手を送られるハリス氏=2024年11月12日(写真:ロイター/アフロ)

 しかし、一つ忘れてはならないのは、トランプvs.ハリスの選挙は「男女の闘い」だったという点だ。激戦州の一つ、中西部ウィスコンシン州ジェインズビルの元新聞記者でコラムニストのフランク・シュルツ氏は、ハリス氏に投票した。なぜトランプ氏が勝利したのか尋ねると「ハリス氏は女性だからだ」と指摘する。

「(トランプ氏自身や家族の不倫は何の批判もされないのに)ハリス氏や民主党の女性候補者の異性関係は、共和党から激しく攻撃される。テレビ広告やソーシャルメディアで増幅されて、女性候補者らが“悪魔”に仕立てられていく」(シュルツ氏)

 2016年の民主党候補、ヒラリー・クリントン氏に次ぐ2度目の女性候補の敗北。米女性にとって鋼の如く強固な「ガラスの天井」は、今回も現実を見せつけた。

ポッドキャストの影響

 もう一つ、シュルツ氏が懸念したことは、有権者のメディアとの接し方が変貌したことだ。39年間新聞記者だった彼は、テレビの公共放送を見て、ハリス、トランプ両陣営の主張を聞くようにした。しかし、「家族や友人を見ると、自分とは全く別の世界に生きていた。(保守系テレビの)FOXニュースや、特定のラジオパーソナリティーやポッドキャストだけ聞いていて、この国は二つのバブル(泡)に閉じ込められた二つのグループに分断されていたんだ」と振り返る。

 特に投開票日直後から、ポッドキャストの影響力に注目が集まっている。トランプ氏は投開票日の直前、世界最大のポッドキャスター、ジョー・ローガン氏(1450万サブスクライバー)のスタジオでインタビューに応じた。3時間近くに及ぶYouTubeのインタビュービデオは、11月13日現在、約5千万回も再生されている。ローガン氏は、トランプ候補を推薦した。

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ポッドキャストが、テレビを凌駕した