皇室にはさまざまな公務があり、天皇、皇后両陛下や皇族方が地方に出かけて国民と触れ合う機会も少なくない。公務に向き合う皇室の「あのとき」を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2023年10月29日に掲載した記事の再配信です。年齢や肩書などは当時のもの)。
* * *
6月の「全国植樹祭」(岩手県)、9月の「全国豊かな海づくり大会」(北海道)、10月の「かごしま国体(国民体育大会)」と「いしかわ百万石文化祭(国民文化祭)」――。天皇、皇后両陛下による「四大行幸啓」が無事に終わった。6月のインドネシア訪問から大型公務や負担の大きな公務が続いたおふたり。子どもの呼びかけにも、雅子さまの「お日さま」のような笑顔が見られないなど、いつもと異なる様子が相次ぎ、「お疲れなのではないか」と懸念する声が聞かれる。
「雅子さまは、お疲れなのだろうか」
9月末、東京都八王子市にある武蔵陵墓地(むさしりょうぼち)への参拝に向かう天皇陛下と皇后雅子さまを奉迎していた男性は、そんな印象を抱いた。
普段の雅子さまは、子どもの姿を見かけると、目を細めて笑顔を向けてくれる。しかし、この日は沿道の子どもたちが「雅子さまぁ」と呼びかけていたが、いつもの笑顔が見えなかったからだ。
「お疲れのご様子だったのは、雅子さまだけではありません。北海道訪問に向かうときは陛下の髪が乱れていて、心配になりました」
と、先の男性は話す。
北海道で9月中旬にあった「全国豊かな海づくり大会」から、東京に戻ったおふたり。都内や皇居での公務をこなし、1週間後には鹿児島県、そして石川県と、地方での公務が続いた。
国民文化祭が開催された石川県の訪問にあたっては、搭乗予定の飛行機にトラブルがあり、予定に1時間半の遅れが生じた。
会場に続く沿道には、2万人以上が集まった。現地で奉迎していた人からは「雅子さまの笑顔がやや硬かった」と、体調を心配する声が聞かれた。