核の問題だけに関わっていこうと、フリーで活動することに決めた。
「日本だけでなく、グローバル・ヒバクシャの存在を知ってもらうことが重要だと思っています」
日本では原爆による被害者だけが注目されがちだが、世界にはカザフスタンやマーシャル諸島など、核実験や核兵器の製造過程に関わる場所に被曝者がいる。それが「グローバル・ヒバクシャ」と呼ばれる概念だ。古賀さんはグローバル・ヒバクシャへの取材を通し、核が持つ問題の本質に迫りたいと考えている。今は国内に住む被爆者の声に耳を傾け、カメラを回す。
23歳。若い世代が核の問題に取り組む意味を問うと、若者らしい熱い答えが返ってきた。
「被爆者の方が亡くなった時、被爆の歴史を知っているのは被爆者の方から話を聞いた私たち若者です。日本人というアイデンティティーもあります。だからこそ、海外に出てアクティブに活動を続けていくのが、私の使命です」
(編集部・野村昌二)
※AERA 2024年11月25日号より抜粋