占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。

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Q:趣味のソフトボール。レギュラーになれないどころか、監督から相手にされていない感じがしてやりきれません。他の人は守備練習でどこに入るか指示があっても、私には声がかからず。打撃練習で注目されるように打っても、見ていなくて「今日も声出し頼むよ」と言われます。朝早く1時間かけて声出しに行っているわけじゃなくて、試合に出たい。どのような気持ちで続けていけばいいでしょうか。または思い切ってやめてしまうか、もう4~5年悩んでいます。(女性/パート/54歳)

A:相談を受けた時の一つの僕のポリシーとして、「僕が代わりに答えを出さない」というものがあります。でもこのお悩みについては正直な気持ち、「チームをやめてもいいのでは」と思いました。

 周りと比較しても成果を出しているのに、監督のえこひいきが発動されているとか、監督に好ましく思われていないとか、そういうソフトボールのルールとは関係ないものが絡んでいる。そんな雰囲気が文面から伝わってきました。その中で定期的にその場所に参加しなければいけない悔しさとかモヤモヤ感って、すごく大きいと思います。

 しかも4、5年悩んでいるということであれば、主観ではなくデータとしても出ていると思うんですよね。そこに居続けてしまうと自分が壊れていってしまうと思いました。

 僕は自分が年齢を重ねてきた時にテーマにしていることがいくつかあって、その一つが、「一つの場所や一人の人にこだわらないで、複数の依存先を持つ」ことです。というのも、僕自身、一度好きになった人や場所にこだわってしまうところがあるから、どうしても自分の身の回りにあるものが限定されていってしまうんです。

 でも、最近いろんなところでよく言われることかもしれませんが、人が自立して健康的に暮らしていくには、複数の依存先とかコミュニティーを持つことが重要になります。限定された場所やコミュニティーだけに参加し続けていると、その場所の空気がおかしくなった時に、代わりがなくなってしまいます。

 もちろん、家族とか代えが利かないものは除外されますよ。趣味の世界とか道楽の世界の場合です。

 だからこれを機会にいろんなコミュニティーを探してみられてもいいんじゃないでしょうか。同じスポーツの世界でもいいと思います。 

 いつも言っていますが、人は「自分のことを大事にしてくれる人がいる場所」に行くべきです。

 ぞんざいに扱われたりするようないわれは全くないし、自分がここまで大事に育ててきた自己評価も、変な人に会って変な評価を受けちゃうと下がってしまう。それは非常にもったいないです。

 バカにするのもいい加減にしろ、というぐらいの強い気持ちで、飛び出してもいいんじゃないかなと思いました。

 個人的にはライバルチームに移籍してドラマみたいに反撃してほしい気持ちもありますが、近所付き合いもあるかと思いますのでそこはご自身で決めてくださいね。

AERA 2024年11月25日号