女の子が痛がるのを見たかった
これまでの裁判で、勝田容疑者は「女の子」と「腹部からの出血」が合わさったイメージに性的興奮を覚えるというゆがんだ性癖も明らかになっている。飛松氏は母親の証言をこう振り返る。
「勝田容疑者の部屋は自宅の2階にあったのですが、部屋では殴ったり、刺したりした女の子のことを思い出しながら、興奮してマスターベーションをしていたようです」
勝田容疑者はこれまで何度も犯行を繰り返しており、2000年と2009年には複数の女児に危害を加えたとして有罪判決を受けていた。00年の事件は6件の暴行、強制わいせつ事件で執行猶予4年、09年の事件は5人の女の子への傷害と暴行で4年の実刑判決となったが、13年に刑期を終えて出所した。そして出所後の15年5月、今度は姫路市の路上で、女子中学生をナイフで刺し、殺人未遂容疑で逮捕。翌年、懲役10年の判決が確定し、服役中の18年5月に津山市の女子殺害事件(04年発生)でも逮捕された。
飛松氏の公判メモによれば、両親に対しては、父親は「厳しいしつけで虐待した」、母親は「口うるさく、うっとうしい」と不満を持っていたようだ。
一方で、中学2年のとき、花瓶を机の上に置いたり、落書きされたりするなどのイジメにあった。母親が学校に抗議したことでイジメはやんだが、いじめが原因で自傷行為をするようになった。「彫刻刀で自分の腕を切り、血を出した。そうしたら異次元の女が出てくる」と証言していたこともある。
高校に入るとアニメショップに行くようになった。両親からは「大人の女性を好きになれ」と言われたが、「小中学生の女の子が好き。かわいいし、反抗しないから。大人は嫌いで不潔」という感情を抱いていた。
下校中の女子生徒に対して、殴ったり突いたりする暴行については「数えきれない」ほど繰り返していたという。裁判では「女の子が痛がるのを見たかった。小学生の女の子が苦しんでいるのを見たり、刺して血が出るのを見ると興奮する。そして帰ってマスターベーションする」と証言したこともあった。
「姫路市の事件では、『ポケット中にクラフトナイフを入れ、女の子を探し回った。人通りの少ないところで待ち伏せし、女子中学生に声をかけると立ち止まった。右手をつかみ、おなかを刺そうとポケットからナイフを出して刺した。腕に刺さしても苦しまないので、腹を刺すと、苦しんだ。血を見て気持ちが落ち着いた』と本人は法廷で告白していました」(飛松氏)