――もうあと10年早く、菅井さんの話を聞いて心を正しておけばよかったとも思いますが、今からでも遅くないですよね。
菅井:今後の生活設計を親や子どもといった家族全体、つまり「連結」で考えると可能性は広がります。親との連結ベースで寝かせている資産はありませんか?親の残した家だったり別荘だったり……。働いていない資産を動かして輝かせるのです。親がもつ資産を「連結」して考えると、道は拓けます。企業が親会社・子会社といったグループ全体で考えて経営するのと一緒です。
――リスクが怖くて、銀行口座に寝かしたままの僅かな貯金で不安を感じているのが、なんとなくもったいないようにも思えてきました。
菅井:漠然と将来が不安なのは、将来自分に必要なお金や、そのために今どのくらい足りないのかがわからないからです。私は48歳で銀行を退職するときまでにアパートを6棟買いました。その分借金がありますが、資産もあります。バランスシートで見ているので、あまり不安もありません。お金に困らない生活ができるかどうか。それはお金を運んでくれる仕組みづくりをできるかできないかだと思います。不動産投資が怖いという気持ちもわかります。失敗も怖いですし、不動産価格だけでなく、変動金利が不安な方も多いと思います。私は不動産投資だけが良いと言っているわけではなく、その人にあった資産の増やし方というのがあると思うので、それを自分のスキルや個性にあわせて見つけてほしいと思っています。ポイントは、それを自分の持ち金の中で完結させて考えるのではなく、「資産を増やしたければ、他人のお金を使う」という点。資産をつくるためのポイントはいかに「銀行の力」を利用できるか、にかかっています。
――借金をして資産を増やす。親の資金をグループ化して連結で考える。まるで企業の代表になって、会社を大きくするような感覚ですね。そういう視点が大切なのですね。