本日7月2日は「うどんの日」。その昔、香川県では、夏至の日から数えて11日目にあたる「半夏生(はんげしょう)」の日に、その年に収穫した小麦でうどんを打って振る舞い、田植えや麦刈りの労をねぎらう風習があったといいます。そのことにちなみ、1980(昭和55)年、香川県生麺事業協同組合(現・本場さぬきうどん協同組合)が、うどんの消費拡大を狙って制定した記念日が、この「うどんの日」になります。
今回、ご紹介する絵本『うどんのうーやん』は、そんな「うどん」を主人公にした物語。関西弁を話すうどんの"うーやん"が大活躍する、斬新な設定の絵本です。
うどん屋が人手不足のため、自力で出前に行くことになった、うーやん。「ほな いってきますう」と、勢い良く飛び出したものの、道中では、ひからびたメザシや、足腰が弱った梅干し、ふにゃふにゃの絹ごしどうふなど、それぞれよんどころない事情を抱えた食材達と遭遇。困っている人を見ると放っておけないうーやんは、なんと彼らを片っ端から自分のどんぶりに入れてしまいます。さまざまな食材が加わった結果、注文時にはきつねうどんだったにも関わらず、すっかりごった煮状態に様変わりしてしまったうーやん。
「うどんはあつあつがおいしいからな」と、道を急ぎますが、果たして、うーやんは無事にお客さんの元へ出前を届けられるのでしょうか?
川を渡り、山を登り、躍動感たっぷりに描かれるうーやんの大冒険には、大人も子供も目が釘付け。読み終わる頃には、誰しもうーやんの魅力の虜になっているはず。関西弁でテンポよく進むストーリーに、抱腹絶倒すること間違いなしの一冊です。