コンビニやスーパーなどで目にするミネラルウォーター。それらは大きく、"南アルプスの天然水"や"い・ろ・は・す"といった国産のものと、"エビアン"や"ボルヴィック"といった外国産のものに分けることができますが、その違いをご存知でしょうか。
本書『水の不安をなくす30の知恵』によれば、国産のミネラルウォーターは、採水されフィルターなどでろ過し、加熱殺菌されてからボトルに充填。有害物質が含まれていないか、カドミウムや水銀をはじめとする39項目がチェックされるのだといいます。
一方、外国産のミネラルウォーターは殺菌・除菌されていないものがほとんど。加熱殺菌を行うと、水に溶けている酸素や炭素ガスが失われ、自然な状態でなくなってしまうことから、EUではナチュラルミネラルウォーターは殺菌しないことが条件になっているそう。日本もその意向を受け入れ、こうした殺菌・除菌を行わないミネラルウォーターに関しては、14項目の規格を設けることに。
国産の39項目に比べ14項目とチェックの項目が少ないのは、「塩素による殺菌が行われることがないため、残留塩素、塩素と有機物が反応してできるトリハロメタンなどのチェック項目がないこと、また、ヨーロッパ産のミネラルウォーターを主に対象としているため、原料の水が化学物質に汚染されていることが少ないと判断されている」(本書より)から。
そのため、日本で販売されている外国産のミネラルウォーターは、EUのナチュラルミネラルウォーターの基準と日本の成分規格の両方をクリアしたものなのだといいます。
こうしたミネラルウォーターと並び、最近店頭でよく見かけるのが"水素水"。水に水素ガスが溶けたというものです。水素ガスは、体内で過剰に発生すると細胞に損傷をもたらし、動脈硬化やがん、老化の一因になるといわれている活性酸素と結合し、それを除去する働きがあるとして注目されています。しかし、実際にどの程度除去できるのかについては、疑問が残るといいます。
「活性酸素は体内のいたるところで発生するものなので、水素水でどれだけの活性酸素を除去できるのか、わからないでしょう。というのも、水素水を飲んだ場合、それは口内、食道、胃、小腸、大腸と通過していきます。
したがって、それらの臓器に存在する活性酸素はある程度除去できるかもしれませんが、血液中やその他の各臓器に存在する活性酸素にまで、水素ガスが到達するかは疑問です」(本書より)
人間の体の60〜70パーセントを占めるという"水"。そのうち1日約2.3リットルは、尿や汗などによって排泄されるため、食品からだけでなく、飲料水としても、1日に1.2〜1.5リットルほど補給する必要があるとのこと。
私たちの体にとって必要不可欠な存在であるだけに、その正しい知識を本書にて学んでみてはいかがでしょうか。