吉田鋼太郎(よしだ・こうたろう)/1959年生まれ。東京都出身。97年劇団AUNを結成。シェイクスピア作品を筆頭に数々の舞台に出演、演出も手がける。2014年芸術選奨演劇部門文部科学大臣賞受賞。16年10月「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2代目芸術監督(撮影/山本倫子)
吉田鋼太郎(よしだ・こうたろう)/1959年生まれ。東京都出身。97年劇団AUNを結成。シェイクスピア作品を筆頭に数々の舞台に出演、演出も手がける。2014年芸術選奨演劇部門文部科学大臣賞受賞。16年10月「彩の国シェイクスピア・シリーズ」2代目芸術監督(撮影/山本倫子)
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 俳優・藤原竜也主演の水10ドラマ「全領域異常解決室」(フジテレビ系・午後10時)の第6話が13日に放送。身近な現代事件×最先端の科学捜査では解明できない“不可解な異常事件”を「全領域異常解決室」通称“ゼンケツ”が解決していくミステリードラマだ。前回の放送でゼンケツの全貌が明らかになり、続く注目の第6話は、ゲストに俳優の吉田鋼太郎が出演する。彼の過去の注目記事を振り返る(この記事は「AERA dot.」に2017年6月11日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。

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 俳優・吉田鋼太郎さんは高校生のとき、初めてシェイクスピア劇を観た。以来ずっと、“シェイクスピア的なもの”に取り憑かれている。人間が自分の中に湧き上がる感情のエネルギーを、言葉でぶつけ合う。怒鳴り、嘆き、絶叫する。そこには、言葉とともに生きる人間の有り様が描かれる。だから吉田さんは思うのだ。膨大な台詞は、膨大なエネルギーの発露だと。そんな吉田さんが、「今まで観たミュージカルの中で一番面白い」と断言するのが、「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」である。英国での初演以来、全世界で1千万人以上の観客を動員し、80以上の演劇賞に輝いた。2015年に日本人キャストによる日本での上演が決定し、全キャストがオーディションで選出されることに。ミュージカルのDVDを観た吉田さんは、「この役は他の人にはやられたくない」と、オーディションに参加。見事、主人公ビリーの父親役を勝ち取った(益岡徹さんとのダブルキャスト)。東京・大阪合わせて3カ月のロングラン公演である。

「僕がこれを観たとき、実は、ものすごくシェイクスピア的だなと思ったんです。炭鉱町が舞台で、日常的な、ありふれたお父さんと子供の話なんだけれど、全員がものすごく自分の考えを主張し合う。主張がピークまでいったとき、その感情が歌になって、自然に体が踊りだす。父親にダンスを反対されたビリーが、絶叫しながらタップダンスを踊るシーンは、シェイクスピアのリア王が、娘たちにたらい回しにされて、慟哭するシーンに重なったり(笑)。子供だけでなく、お父さんもおばあちゃんも、登場人物全員が壁にぶつかり、葛藤し、それを乗り越えて成長していく。内包するエネルギーが爆発して、歌や踊りとして表現されるところがすごく自然で、理想的なミュージカルだと思いました」

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