山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「アメリカで受けた子宮頸がん検診」について、鉄医会ナビタスクリニック内科医・NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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 先月中旬、アメリカの医療機関で子宮頸がん検診を受診してきました。母親が「子宮筋腫」を患ったこと、そして親友が「子宮頸部異形成」という子宮頸がんの前がん病変を指摘されたこともあり、婦人科検診だけは受診案内のハガキが来るたびに欠かさず受診していたのですが、日本を離れてからというもの、婦人科検診への受診を促すハガキが届かないこともあり、すっかり失念してしまっていた私。そのため、実に2年ぶりの検診となりました。

 今回は、アメリカの医療機関での子宮頸がん検診の様子を報告したいと思います。

 検診を受診したきっかけは、今季のインフルエンザワクチンとCOVID-19ワクチン(新型コロナウイルスワクチン)を受けたことにあります。ワクチン接種の予約方法を調べようと、初めて加入先の医療保険会社のホームーページを訪問したところ、「あなたの予防ケアの取り組み」の中に「子宮頸がん検診」と書かれていたのを見つけたのです。

 加入している米国の医療保険は1年ごとに更新のようで、「更新前の2月、3月あたりは、駆け込みの受診が増える。だから、予約もとても取りにくいし、とても混むんだよ」という夫のアドバイスを受け、さっそく電話で予約をとることにしました。

「子宮頸がん検診を受けたい」と伝えると、まず聞かれたのは、女性と男性のドクターのどちらを希望するかという質問でした。「可能であれば、女性ドクターを希望したい」と伝えたところ、なんと、女性のドクターの検診は来年の1月まで予約でいっぱいだというのです。

「男性のドクターなら、あなたの家から一番近い病院で、2週間後には受診可能」ということで、なるべく早く検診を受けたかった私は、男性ドクターを希望することにしました。

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朝は午前7時から受診可能