斎藤氏の演説に集まる人には女性の姿が目立つ

自民党の中からも斎藤氏支援の動き

 この知事選で自民党と公明党は自主投票の方針を決めているが、自民党議員らは稲村氏や清水氏、そして斎藤氏を支援する動きを見せている。

 稲村氏は、自民党の一部が支援するほか、立憲民主党や国民民主党、連合が支援している。稲村氏の出陣式には自民党の松本剛明元総務大臣や国民民主党の向山好一衆院議員、県内首長や県議らが応援に駆け付けていた。

 清水氏は「日本維新の会」を離党しての出馬だが、実際には維新の議員が支援するほか、神戸市の自民党市議団が清水氏を支援する方針を明らかにしている。

 そして斎藤氏についても、自民党の明石市議らが支援を表明している。

 選挙戦前のメディアの情勢調査などでは、稲村氏、清水氏、そして斎藤氏が、他の候補をリードしているとみられていた。

 淡路島で斎藤氏の演説を聞いていた地元市議に聞くと、こう話した。

「聞くところでは、稲村氏がリードしていて、斎藤氏だけはアカンという話だったが、実際に見てみると印象が違う。SNSなどの斎藤氏の人気はヤラセかと思っていたが、淡路島の田舎で動員なんてかけようがない。これはほんまもんかもしれない」

 稲村氏の陣営でも、こんな話を聞いた。

「斎藤氏の街頭での人気ぶりは伝わっている。正直、うちが本命という意識はあったが、これはちょっと違う。県民の意識が『斎藤氏は悪人』から、変化しつつある。悪名は無名に勝るや」

 自らの疑惑によって失職した斎藤氏だが、ネットを駆使した選挙戦で“石丸旋風”の再来を起こし、まさかの再選を果たすことがあるのだろうか。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

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